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2006年5月18日 (木)

砂漠のトリュフ

例年に比べてかなり雨がたくさん降った1996年1月、リヤド。ある日の新聞に「砂漠のトリュフ」という記事が載りました。それは大変貴重なキノコで、特殊な草が生える一部の砂漠地域にごくわずかできるものとのことでした。それが今年の雨で、何年ぶりかの豊作が期待されているそうです。珍しい食べ物があるものだと、その時はさほど気にせずにいたのですが、何週間かして町の中心部にあるバトハスークに出かけてみると、いつにない人だかりです。袋や箱があちこち並べられ、売り手と買い手が熱心に商談しています。のぞいてみると、ジャガイモのような茶色いものがごろごろと山積みになっていました。「砂漠のトリュフだ!」そうピンときて、卵くらいの大きさの物をいくつか買って帰りました。家に帰ってまじまじ眺めてみると、確かに土の中で育ったキノコの仲間なんだろうとは思いましたが、はたしてトリュフなのかと言われれば、どうも自信がありません。というか、これまでトリュフをトリュフだと感じるくらいの大きさで食べたことがありません。半分に切ってみると、においはかなり濃厚なマッシュルームといった感じです。そういえばトリュフのにおいって知らなかった、などと今更気がついてしまいましたが、とりあえず、いくつか調理してみることにしました。

最初は丸のままいく勇気がなかったので、細かく刻んでバターといため、ステーキ用のソースを作りました。できあがったものは、まぁおいしいことはおいしいのですが、においも薄くなって、どうもパンチがありません。そこで、アルミホイルに包んで丸焼きにしてみましたが、これはなかなかのものでした。においは十分残っているし、シイタケなど一般的なキノコとは違い、なんともほこほことした食感です。やっぱりイモの仲間かな、と思って翌日職場にそれを持っていくと、年輩のスタッフから「あぁ、それはファガア(イモ)だな、うまいだろ」と言われました。ファガアがイモなのかキノコなのかはわかりませんが、いずれにしてもそれが欧米人の間では砂漠のトリュフと呼ばれ、ものすごく有名な、しかしなかなか手に入らない幻の食べ物として渇望されているのだそうです。この年は、本当にファガアの当たり年で、3月になるとソフトボール大のものまで出回るようになりました。さすがにそこまで大きいものになると、キロあたり1万円もしていました。
010fagaa

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