ハリネズミ
食べ物のカテゴリーでハリネズミについて書くのもどうかと思いますが、事実、サウジアラビアではスーク(市場)でハリネズミが食用として売られています。ある日、リヤドのバトハスークでも特に食材を売っている一角に行きました。ニワトリ、ハト、七面鳥、ウサギ、このあたりまではわかりますが、カメやトカゲになるとちょっと気持ちが引けてしまい、とどめにハリネズミを見たときはもうダメだと思いました。これは食べるものかとハリネズミを指さすと、店主はゆっくりと自信満々にうなずきました。「皮をはいでな、腹を割いてな、手足をバラバラにして煮込むんや」。日本語ならそんな感じでさも憎々しげに答える店主。もういてもたってもいられません。あまりに可愛そうになってしまい、とりあえず、ダンボール箱にいた何匹かのうち、体が小さい2匹を買って帰ることにしました。家に帰ってくると、まずは少し可愛そうとは思いつつも、お風呂場でシャワーをあびせました。背中のハリにシャワーをかけると、案の定かなり汚い水が流れてきます。短い手足でバタバタ逃げようとしますが、バスタブがつるつるなのでジタバタするばかりです。「ゴメン」と思いながら、ちょっと笑ってしまいました。
お風呂から出たあとは、タオルにくるんで水気をとりながら、ドライヤーの温風をあてました。ハリネズミはどうやら観念したようで、静かに風をうけています。どこか気持ちよさげでした。お風呂のあとは食事です。スークではきっとろくな物を食べさせてもらえなかったのでしょう。生の鶏肉をあげるとむしゃむしゃ食べます。しかしこちらが音を立てるとビクッと体を固くして、動きを止めてしまいます。それからしばらくはハリネズミ中心の生活になりました。部屋はあまり明るくしない。テレビの音は小さく。広い家が必要だろうとダンボールをたくさんもらってきて、長いトンネルつきの豪邸(?)を作ってあげました。まもなく1匹は知人の家にもらわれていきましたが、我が家のハリネズミも、そのあと数ヶ月家にいました。食文化は各国いろいろですが、やはりハリネズミは可愛いと思いこそすれ、おいしそうとは思えません。ハリネズミと暮らした日々は本当に楽しかったです。
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