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2006年6月22日 (木)

ルクソールのテロ1

エジプトに赴任して5ヶ月ほどたったとき、ルクソール近郊のハトシェプスト女王葬祭殿でテロ事件が起こりました。数十名の旅行者が犠牲になるなど、かつてない凶悪な事件は、当然カイロの日本人にもすぐに連絡が入りました。その日はインターネットで関連ニュースを読みあさり、全容を知れば知るほど、わき上がる怒りは大きなものになっていきました。翌日、やるせない気持ちで出勤すると、ほどなくエジプト人スタッフから、話したいことがあるから集まってくれと言われました。そこで、私たちは自分の耳を疑うことになります。おもむろに口を開いたマネージャーからは、昨日のテロ事件のことが話されました。「あれはイスラム教徒がやったことではない、すべてアメリカとイスラエルの陰謀である」 淡々と語るマネージャーの顔を見ながら、私たちはあきれて反論する気にもなれず、ただ押し黙るしかありませんでした。「なぜなら、イスラム教徒はあんな残酷なことはしないから」 続けて発せられた言葉に、私たちはもう力無く笑うしかありませんでした。「そういう考え方もあるんだね」と言い残し、私たちは席を立ちました。それからしばらくの間、周りのエジプト人から何度も何度も同じようなことを言われました。最初は、イスラム擁護の立場から弁解として発言しているのかとも思いましたが、どうもほとんどのエジプト人は本気でこう考えていたようです。当時、エジプトに住んでいた外国人は、皆同じことを言われたはずです。それによってどれだけ我々がエジプト人のインテリジェンスの無さを嘆いたか、彼らは知らないでしょう。
065hatshepsto

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