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2006年6月 7日 (水)

円形農場

日中、サウジアラビア上空を飛行機で飛んでいると、窓の下に不思議な光景が見えてきます。見渡す限り不毛の土漠。しかしときどき巨大な円が目につきます。大きいものだと直径1000m近くあり、初めて見たときはその黒ずんだ色から「UFOの基地?」などとあらぬ想像をしてしまいました。その後、リヤド郊外にドライブに行ったときも同じ円を目にするようになりましたが、実はそれは円形農場でした。リヤド地域は地下に岩盤があり、そこに地下水が溜まっているそうです。だからこそオアシスとして昔から集落があったわけですが、円形農場も地下水を利用しています。

まず井戸を掘り、水中ポンプを据え付けます。井戸から数百メートルのアームをのばし、アームをぐるぐる動かすエンジン付きタイヤと水が出る穴 (スプリンクラー) を付けます。あとは自動でぐるぐるとアームを回すだけ。上空から見ればきれいな円になるわけです。聞くところによると、リヤド近郊の土質はとても栄養分に富んでおり、水さえまけば何も肥料を与えることなく、7、8年は作物を作ることができるそうです。しかしそのうち塩害が出てくるので、そうなったらまた近くに井戸を掘る、ということを繰り返します。こうして、砂漠に謎の巨大円がどんどんできていくことになります。

こうやって穀物生産量を増やしていった結果、ほどなくサウジアラビアは小麦の輸出国となりました。サウジ政府としては国土の緑化が大きな課題で、そこに円形農場がうまく合致したのでしょう。出来上がった小麦は国家が高額で買い取ってくれますから、多くの人が農場経営に乗り出しました。農地面積が飛躍的に増えたせいで、アラビア半島の気候が少し穏やかになったと言う人もいるくらいです。しかし砂漠の中に突然緑色の畑があらわれるというのは、なんとも不思議な光景でした。

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