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2006年6月 6日 (火)

グラフィティロック

リヤドから車で1時間ほど南下して、土漠のダートロードを右に入ってしばらく進むと、小高い岩山が現れます。もうほとんど崩れかけていて、てっぺんの岩の固まりもいつ崩れるかと心配になるほどです。そこを足下に気を付けながら上っていくと、古代人の落書き (失礼!!) が残されています。我々がグラフィティロックと呼んでいたそれに関する情報は何も残されていません。なのですべて想像ですが、おそらく2000年から3000年前に描かれたものだと考えられます。この絵にはカモシカやダチョウなど、今ではこの近辺ではまったく見られない動物が描かれています。アラビア半島内陸部がこのような多様な生態系を持っていたのははるか以前のことであり、またそもそもイスラムが興って以降はこのような像を描くことは厳格に禁止されています。少なくともイスラム以前であることは間違いないでしょう。

この地域には、分かっている範囲では紀元前4000年頃、古代セム族が姿を現しました。紀元前1000年頃、ミネア王国が紅海沿岸のアシール地方や南部ヒジャーズ地方に建国され、北部ヒジャーズ地方を通じて香料の主要な貿易商人となっていきました。その後、ナバティア人が北部ヒジャーズ地方のマダーイン・サーレに北方貿易の根拠地をきずくなど、断片的ではあるもののアラビア半島西部については歴史的資料が残されています。しかし、アラビア半島内陸部ナジュド地方については、紀元前のことはほとんど分かっていません。土漠の真ん中にこのような芸術作品を残したのはいったい誰なのか、真相の究明が待たれるところですが、逆にすべて謎なところが、かえってロマンを感じるのかもしれません。
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