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2006年6月13日 (火)

女性の権利

社会において男性と女性が同等の役割を演じることが、まったく正しいことなのかどうかはわかりませんが、少なくとも、まずは平等な権利が与えられるべきでしょう。生物学的な差異があるので、それぞれに固有の役割があることも否めませんが、ほとんどのシーンでは、男女に格差をもうける意味はないと思います。例えばサウジアラビア。GCC (湾岸協力会議) 諸国の中では最も保守的な国で、イスラムの戒律を厳格に守ろうと必死です。女性の社会進出は極端に制限され、仕事に就くといってもせいぜい女子校の教師くらいしかありません。私がいた当時は女性が大学に進むのも一般的ではなく、ほとんどの女性は高校を出ると家庭に入るしか選択肢がありませんでした。車の運転免許も女性は禁止されていて (外国人も)、外出するときは雇っている運転手か家族の男性に運転してもらわなければなりません。「お抱え運転手つきのセレブ生活」と言えば聞こえは良いですが、湾岸戦争の時は、家族の男性が不在で家に閉じこめられたという女性が続出しました。金持ちの家庭では、女性が海外留学する例もたくさんあります。戦争後、留学先で女性の権利に目覚めた女性20名ほどが、留学先で取った運転免許を利用してリヤド市内を抗議の意味で運転したそうです。30分ほどで彼女たちは警察に保護されたそうですが、全員良家の子女だったこともあり、特に処罰が科されたわけではありませんでした。しかしサウジ政府に大きな一石を投じたことはまちがいありません。

カタールは女性も運転免許を取れましたが、さすがにカタール人女性で運転している人はいませんでした。そのかわり外国人女性はわりと普通に運転していたので、この点はまだカタール政府はオープンだったと言えます。免許を取ったけど運転しないのと、最初から免許が取れないのとでは、全然意味合いが違いますから。しかしカタールも女性の社会進出という意味では、まったく進んでいませんでした。国民全てが金持ちだったから、そもそも働く必要がなかったのかもしれません。これがエジプトやヨルダンになると、男性が湾岸諸国に出稼ぎに行ってしまうので、国内では女性が働かないとやっていけないという事情があって、逆に日本などよりよほど女性の社会進出が進んでいると感じました。「女性は守るべきもの」という宗教観があって、それがサウジでは「なるべく外部の危険にさらさない」となるのでしょうが、やっぱりちょっと歪んでいますね。

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