« 汚染天国 | トップページ | 不器用 »

2006年6月20日 (火)

エジプトの歴史はいつから?

エジプトの歴史は王国時代 (紀元前3200年~前343年)、ヘレニズム時代 (前332年~前30年)、ローマとビザンチン帝国支配の時代 (前30年~後638年)、イスラム王朝時代 (642年~1517年)、オスマントルコ支配の時代 (1517年~1882年)、イギリスの植民地時代 (1882年~1952年)、そして現在の独立国家エジプトの時代になります。王国時代に建設されたピラミッドやツタンカーメンのマスク、クレオパトラの自殺によって王国時代が終焉したことなど、世界史の教科書にも載っていて、日本人にもなじみ深い話題です。エジプトに赴任してすぐ、職場のスタッフが「エジプトの歴史についてレクチャーしてあげよう」と言って、私たちを一室に集めました。ピラミッドやツタンカーメンなど想像するだけでわくわくしてきます。どんな特別な話がきけるのだろうと期待して耳を傾けていましたが、意外にもスタッフの第一声は「エジプトの歴史は1952年のエジプト革命に始まる」というものでした。私たちは一同黙りこくってしまいました。それに続いてナセルの功績、中東戦争での勝利、イスラエルとの電撃的和平合意などが矢継ぎ早に語られ、アラブ諸国の中でエジプトがいかに重要な立場にいるかを説明されました。

一通り話が終わった後に、恐る恐る「あのぉ、エジプトの歴史と言えばピラミッドですが?」とたずねると、「それは遠い過去の話、誇りには思うが現在のエジプトとは関係ない」と一刀両断されてしまいました。赴任する前、出張や旅行でエジプトには5回行きましたが、その度に「なんだかクセのある人たちだなぁ」と違和感を覚えていましたが、これでますます違和感が増幅されました。確かにナセルはバンドン会議 (アジア・アフリカ会議/1955年) 当時は非同盟諸国の旗手であり、スエズ国有化宣言で勃発した第2次中東戦争 (1956年) を乗り切った後、アラブ諸国の英雄になったことは事実です。サダトもイスラエルとの和平を実現し (1979年調印)、ノーベル平和賞を受賞しました。しかしそれ以降は、アラブ連盟からの追放に加え、湾岸諸国への出稼ぎによる国内労働力の空洞化 (いわゆる頭脳流出)、経済自由化政策による貧富の差の拡大、イスラム過激派の台頭など国内問題が山積し、国力は衰退の一途をたどっているとしか思えません。せっかく5000年以上の歴史があるのに、戦後わずか30年くらいの栄光 (それもすでに過去のもの) に固執する姿は、ちょっと悲しいものがあります。

|

« 汚染天国 | トップページ | 不器用 »

旅行・地域 エジプト」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 汚染天国 | トップページ | 不器用 »