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2006年6月 9日 (金)

オバQの服

最近ではドバイなどが観光地としても注目を浴び、日本のテレビでもアラビア湾岸諸国の人々の生活をかいま見る機会が増えましたが、男性の出で立ちでまず目に付くのが、あの独特の民族服です。ワイシャツの下の部分を足下まで伸ばしたようなワンピースの服は、よく「オバQ」などと言われていました。アラビア語では「トーブ (サウブ=Thaub)」、下にはステテコのようなズボンをはいています。夏はほとんど真っ白なもの、冬には厚手の生地で黒や紺など色のついたものが目立ちました。そして頭には縁なしの布の帽子をかぶった上に、さらにゴトラという布をかぶります。子供は帽子だけの場合が多かったように思います。サウジでは圧倒的に赤白のチェック柄が多かったですが、白一色も「真面目」という感じがするせいか好む人がたくさんいました。日本では故アラファト議長の影響か、ゴトラと言えば白黒のチェックというイメージがあるようですが、少なくともサウジ人で白黒をかぶっている人は見たことはありません。仕上げは、イカールという黒い輪です。イカールはもともと直径40cmくらいの、太く編まれたヒモです。それをくるりとねじって二重の輪にして、ぽんと頭に乗っけると、サウジ人の「正装」の出来上がり。この格好なら、職場も、結婚式も、またかなり偉い人に会うときでもすべてOK。あらゆるシーンに対応できる万能の出で立ちです。靴はサンダルで大丈夫です (ただし革製できちんと装飾されたいわゆるサウジサンダル)。

原理主義者とまでは言わないものの、真摯にイスラムに取り組んでいる人たちは、丈が短めのトーブを着ています。これは預言者ムハンマドがくるぶしの上10cmくらいの短いトーブを着ていたという伝承にならったものです。また、頭の上の黒い輪っかイカールも、ムハンマドは付けていなかったという故事から、イカールなしの人もけっこう見かけます。町をうろうろしているムタワ (=宗教警察、ただし実際には逮捕権がなくただのボランティア) は、たいていイカールなしで短いトーブでした。カタール人も同じ格好でしたが、カタールのイカールには細いヒモがだらんと垂れ下がっていました。垂れ下がっているヒモの数やデザインで、部族がわかるんだそうです。リヤドはほぼ100%ヒモなしでした。ちなみに、いつ、なぜ、イカールをかぶるようになったのかは定かではありませんが、そもそもイカールはベドウィンがラクダの足に8の字にしてはめ、動きを拘束するために使い出したものではないかと言われています。そのヒモを持ち歩くのに、頭にかぶったのだとか。私もサウジ滞在中は休みの日などたまに着ていました。なにしろ涼しいので、砂漠気候には本当に適したものだと思いますが、大股開きができないし、あまりアクティブに動くための服装ではないなと思いました。重い物を自ら運んだり、あわてて走ったりするのは、ベドウィンたちにとっては無粋なことであり、そんな機能を求める人は誰もいないということなのでしょう。
046thaub

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