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2006年7月 1日 (土)

タクシーとの戦い (補足)

あまりタクシーの悪口ばかり言っても仕方ないので、良い思い出もひとつ。考古学博物館を見た後、カイロ市内を観光しながらひたすらてくてくと歩き、ムハンマドアリーモスクにたどり着きました。カイロの地理を知っている方なら、これがけっこうな距離だということがおわかりでしょう。モスクには1時間ほどいましたが、さすがにまた歩いて帰る気にはなれませんでした。暑さはまだしも、あまりにも排気ガスがひどいからです。しかしサイフを確認すると、12ポンド (390円) しかありませんでした。ホテルまで戻れるか微妙なところです。ガイドブックを取り出し、「こことここが距離○kmで値段は○ポンドだったから…」と計算をしてから、まぁなんとかいけるだろうとふんで、タクシーをつかまえました。最悪、メーターが12ポンドになったら事情を話してそこで降りれば良いと考えました。タクシーに乗り込み運転手に「ザマレク」と伝えると、走り出してまず運転手がたずねてきたのは、「町の中心部は渋滞がひどいから迂回して良いか」ということでした。わざわざ聞いてくるくらいですから、私をだまそうとしているわけではなさそうです。確かに渋滞がひどいことは事実ですし、渋滞中も料金は加算されますから、私も「マーシ (いいよ)」と答えました。

しばらく走っていると、水道橋が見えてきました。地図を取り出して道を確認すると、かなりの遠回りで、いったん目的地から遠ざかるようなルートです。「ちょっと遠回りすぎない?」と言うと、運転手は「でもこっちの方が時間はだいぶ短いよ」と答えました。メーターが12ポンドになってどうせ途中で降りるなら、少しでも目的地に近づいておきたいと思っていたので、この選択は失敗だったかなと少し後悔しました。また、迂回路といえども、結局みんな同じことを考えるので、それほどスイスイと走れたわけでもありませんでした。とにかくメーターはジワジワと加算されていきます。8ポンドを超えたあたりから私はもうメーターから目が離せなくなり、10ポンドになって、ついにおずおずと運転手に事情を話しました。サイフを広げ「ごめん、12ポンドしかないんだ、12になったら降りるよ」と伝えると、運転手は「え、本当にないの?、うーん」と考え込んでしまいました。ほどなくメーターは12ポンドになり、「ここでいいよ、止めて」と言ったのですが、運転手は黙ったまま車を走らせ続けます。そうしてメーターが15ポンドを越えたところでようやくタクシーは止まり、おもむろに運転手が口を開きました。「ここならザマレクまで歩きやすいから」 サラッと言ってのける彼のなんと格好良かったことか。彼は嫌な顔ひとつせず12ポンドを受け取り、あっという間に走り去ってしまいました。エジプト人というのは強い者 (権力者や金持ち) には反発しますが、弱者には優しいなぁとしみじみ感じました。

後でよく考えたら、ホテルまで行ってもらってそこで全額払えばよかったんですけどね。お互いに気がつきませんでした。行き先をザマレク (地区名) ではなくホテル名で言っていたらまた違っていたかも。

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