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2006年7月28日 (金)

ネボ山

マダバから西に10km進むと、モーセ終焉の地と言われているネボ山があります。頂上に建っている教会の内部には、4世紀と7世紀に建てられた教会の跡とモザイクが残っています。教会の外に出ると、ヨルダン川西岸地域 (パレスチナ/カナン) が見事に一望できます。モーセはヘブライ人の預言者で、イスラエル建国の祖、ユダヤ人の祖と言われています。モーセは古代エジプトのゴシェンで生まれました。当時、ヘブライ人はエジプトのファラオのもと、奴隷として生活を送っていました。モーセが生まれる前に、ファラオはヘブライ人の王が生まれるという予知夢を見たため、ヘブライ人の新生児をことごとく殺害するよう命令を下しました。モーセの母は生まれたばかりの我が子をなんとか助けようと、モーセをパピルスであんだかごに入れナイル川に放します。それを拾ったのがファラオの娘で、モーセは王女の息子として育てられました。成長してからはいろいろあって一度はエジプトを離れますが、「エジプトに戻り同胞を助けよ、そして約束の地カナンに導け」との神のお告げを受け、そのために奇跡を起こす力を授けられました。モーセ一行の旅は「出エジプト記」にも詳しく書かれています。特に紅海が割れるシーンは映画の題材にも取り上げられていて、本当にこんなスペクタクルがあったら良いのに、と思うようなことばかりです。個人的にはこの奇跡の数々を信じたいですけどね。

モーセはその後シナイ山で十戒を授かり、さらに40年間荒れ野をさまよった末、ついにカナンの地を目前にしました。しかし神はモーセにこう言います。「エリコの向かいにあるアバリム山地のネボ山に登り、私がイスラエルの人々に所有地として与えるカナンの土地を見渡しなさい。あなたは登っていくその山で死に、先祖の列に加えられる」 残酷なことに、神はモーセにカナンの地を踏ませることは許しませんでした。モーセの死後、一行の行く末はヨシュアに託されました。研究家は、これを紀元前13世紀頃の出来事と考えています。私はモーセが十戒を授かったというシナイ山のジャバル・ムーサ (モーセの山)、そしてモーセ終焉の地であるネボ山に足を運ぶことができました。ネボ山からパレスチナ (カナン) の荒れ野を見ていると、3000年前に繰り広げられた壮大なストーリーがまざまざと脳裏に浮かび上がります。しかし、パレスチナ (カナン) を「約束の地」であるとした旧約聖書がイスラエル建国の根拠となっているが故に、パレスチナ問題を解決しがたい泥沼の紛争にしてしまいました。世の中に「絶対」なものなどないというのがおそらく大多数の日本人の考え方でしょうが、この地では、宗教によって様々な「絶対」が規定されています。自分が属する宗教が「絶対」だと言っているのですから、譲歩する可能性はゼロでしょう。う~ん。やっぱり解決は無理か…。
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