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2006年7月14日 (金)

エジプトはアラブか?

私がこのブログで書くところの「アラブ人」というのは、いつも大体「遊牧アラブ人」であるアラビア湾岸諸国の人たちを指しています。一番開かれたアラブ世界としてダントツに外国人旅行者が多く、また外交的にもアラブの代弁者としてみなされるところから、「エジプト=アラブ」「アラブ=エジプト」と考える人は多いと思いますが、個人的には、エジプトはちょっとアラブとは別世界だなぁと感じます。そもそもアラブ人とは誰のことか。「アラビア半島にかつてあるいは現在住み、アラビア語を母語としている人々」というのが一般的な定義ですが、さらに「イスラム教」も重要な要素となっています (レバノンは人口の半分がキリスト教徒ですが)。この定義によれば、遊牧民と農耕民の区別は意味がないかもしれません。しかし、国民のほとんどが農業に従事しているエジプトと、今でもベドウィンそのもののような精神風土を持っているサウジアラビアでは、体格から考え方まであらゆる面において違いがあります。しかもエジプトは世界有数の歴史を持っています。7世紀にアラビア半島からエジプトに侵入したイスラム戦士たちは、当時エジプトを支配していたビザンチン勢力を追放することに成功、現地に根を下ろしていきました。ここでアラビア半島のアラブ人とエジプト人が同化したという説もありますが、数的に言ってアラブ人の血がまんべんなくエジプト人と混じったとは考えにくいのも事実です。つまり、大多数のエジプト人は古代ファラオ時代から続くオリジナルエジプト人の末裔であると言えるのではないでしょうか。そしてそれはとても誇らしいことだと思います。ということで、私にとってエジプトはあくまでエジプトであり、アラブとは言い難いものなのです。

エジプト農耕民とアラビア遊牧民の違いをひとつ。もしエジプト人が人前でオナラをしてしまったらそれは単なる笑い話ですが (豆をよく食べるのでオナラも多い)、遊牧民に「お前、今オナラしただろ」などと言ったらそれこそ決闘ものの侮辱にあたるそうです。人前でオナラをすることは、遊牧民にとってはちょっと信じられない行為だそうなので、十分注意しましょう。ヨルダン南部のワディ・ラムに行った時、同行した人が砂漠ツアーガイドのベドウィンの前で「ププゥ~~」と大きいオナラをしました。あの時のガイドの顔は今でも忘れられません。目をつり上げ、肩をワナワナ震わせていました。「あぁ、本当にダメなんだなぁ」と私には納得の一発でした。(写真はカイロのデーツ売りとヨルダン南部のベドウィンテント)
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