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2006年7月 6日 (木)

ラマダンのイフタール

「Breakfast (朝食)」とは、その名が示すとおり「Break (破る) - Fast (断食)」ですが、その昔ヨーロッパでは夜の間食事を絶つ習慣があったため、朝食べるご飯をこう呼んだのだそうです。イスラム諸国では、ラマダン (断食月) の期間、日没後に食べる食事を「イフタール (Breakfast/朝食)」と言います。ラマダン中に「明日 ”Breakfast” を食べに行こう」と誘われたら、それは私たちの言う朝食ではなく、夕食にあたります。ハンハリーリスークは観光客が必ず一度は行く有名なスーク (マーケット) で、シシカバブなどを出すレストランがたくさんあります。ラマダン期間中はレストランが前の広場にテーブルを並べ、イフタールの食事セットを売り出すので、それを狙って観光客から地元人まで、広場は毎日ごった返しになります。その中を、大型観光バスが人の波をかき分けながら進むのですから、事故が起きやしないかと見ているこっちがハラハラします。とにかくハンハリーリのイフタールメニューは有名ですから、日没の1時間近く前に行かないと席が確保できません。席を取ったら、しばらくは何も口にせずじっと日没を待ちます。なにしろ周りには観光客以外にもエジプト人がたくさんいます。彼らが最後の我慢をしているときに、こちらが水など飲んではさすがに失礼です。

日没の10分くらい前から、テーブルにはイフタールの食事が配られます。辺りにはシシカバブの香ばしい匂いが立ちこめ、空腹のあまり頭がクラクラしますが、ここはあと少しの辛抱です。日没を迎えると、ハンハリーリの真横にあるフセインモスクから「アザーン (礼拝の呼びかけ)」が聞こえてきますから、それを合図に食事が始まります。しかしいきなりシシカバブにかぶりついてはいけません。食事と一緒に配られた、甘いデーツ (ナツメヤシ) のジュースをゆっくり飲み干し、胃の調子を整えてから食べ始めるのがイスラム流です。ハンハリーリ周辺は普段からにぎわっているところですが、ラマダン中はひときわ賑やかさを増します。空き地という空き地を人が埋め尽くし、それぞれのイフタールを楽しんでいます。食事の後は音楽会やダンスなど、毎晩いろいろな催し物が目白押しです。イスラム教徒にとって、ラマダン (断食月) は宗教行事であると同時に、一種のお祭りのようなものだと思いました。
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