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2006年7月23日 (日)

ヨルダン小史

■旧約聖書の時代
ヨルダン川の東にアンモン、エドム、ギレアド、モアブなどの王国がありました。これらの王国はエジプト、アッシリア、バビロニア、ペルシャ、ローマによって絶え間なく征服されたり、支配下におかれたりしました。
■諸外国による支配
ビザンチン帝国の領土となったヨルダンは、西暦633~636年にアラブ人によって征服され、以来イスラム国家となりました。十字軍の時代、一時期キリスト教色が強められましたが、その後、エジプトのマムルーク朝の支配をへて、1517~1918年の400年間はシリア、パレスチナをふくむ大シリアの一部としてオスマン帝国に支配されました。
■独立
映画「アラビアのローレンス」で描かれた「アラブの反乱」によって、1918年にヨルダンはオスマン帝国から解放されました。イギリスの後押しで、メッカのハーシム家から呼ばれたアブドゥッラーが首長位につきましたが、1946年にイギリスの委任統治が終わると、トランス・ヨルダン王国として独立を宣言、アブドゥッラーが王位につきました。
■第1次中東戦争
1948年5月、イスラエルの国家樹立宣言と同時に中東戦争が勃発しました。結果はイスラエルの圧勝。エルサレムの旧市街をふくむパレスチナ全土のほぼ80%がイスラエルに占領され、160万人のパレスチナ難民が生まれました。1950年4月、アブドゥッラー国王はヨルダン川西岸地区 (パレスチナ) を併合し、国名をヨルダン・ハシミテ王国と改めました。「ハシミテ (Hashemite)」とは、予言者ムハンマドの直系を主張するメッカのハーシム家からきています。翌年、アブドゥッラー国王はパレスチナ人に暗殺され、子のタラールが後をつぎましたが、病弱なためすぐに退位、タラールの17歳の子フセインが即位しました。
■PLOとの衝突
1960年代、シリアからヨルダンへ拠点をうつしたPLO (パレスチナ解放機構) などアラブ・ゲリラ各派は、ヨルダンを基地としてイスラエルに対する攻撃を行ったため、ヨルダンはたひたびイスラエルから報復を受けました。1966年7月、ヨルダンはPLO支援を停止したため、以後、PLOはフセイン国王打倒を呼びかけ、衝突をくりかえしました。アラブ諸国とイスラエルの緊張はますます高まり、1967年6月に第3次中東戦争が勃発。しかしわずか6日間でイスラエルが圧倒的勝利を得ました。ヨルダンもイスラエル軍によって空軍が破壊され、ヨルダン川西岸地区が占領されてしまいました。ヨルダンは国連安保理による戦後処理案 (242号決議) を受諾したため、PLOなどパレスチナ各派の反感を買い、攻撃をあびることになりました。危機を感じたフセイン国王は、1970年9月、パレスチナ各派を国内から追放しました (Black September事件)。
■アラブ諸国との関係改善
アラブ諸国との関係が悪化していたヨルダンですが、1973年の第4次中東戦争に参戦するなどして、これを契機に各国との国交を回復しました。1974年、国連がPLOをパレスチナ人の唯一の代表だと承認すると、ヨルダンもこれに追従し、見返りにアラブ諸国から経済・軍事援助を取り付けることに成功しました。1975年、ヨルダンはシリアとの友好関係を確立。また1980年に始まったイラン・イラク戦争ではいち早くイラクを支持し、ヨルダン領内でのイラク向けの物資通過を認めるなどして、地域政治におけるバランスの良さを示します。1988年、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に対して、フセイン国王は統治を放棄しました。
■湾岸戦争とその後
1990年8月、イラク軍がクウェートに侵攻すると、ヨルダンは明らかにイラク寄りの姿勢を取ったため、アメリカやサウジアラビアなどアラブ諸国との関係を悪化させました。イラクに対する世界的な経済制裁は、関係が深かったヨルダン経済に大きな損失をもたらします。さらにペルシャ湾岸諸国で働く大量のパレスチナ難民がヨルダンに流入してきたため、国の失業率は30%に増加しました。1994年7月、フセイン国王はイスラエルのラビン首相と46年間にわたる両国間の戦争状態に終止符を打つための平和協定「ワシントン宣言」に調印し、これにより対米債務を帳消しにしました。1999年2月、フセイン国王は崩御、息子であるアブドゥッラー2世が王位を継承しました。アブドゥッラー国王は中東和平の仲介役としての立場をアピールしています。
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