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2006年8月 5日 (土)

樹齢3000年のオリーブ!?

旧約聖書の創世記によれば、大洪水の後、ノアが放った鳩はくちばしにオリーブの枝をくわえて帰ってきたそうです。地中海東岸では、紀元前3000年代にはすでにオリーブを栽培し油をしぼっていたと言われます。初期ヘブライ語のアルファベットも、アレフ (牛)、ベート (家)、ギメル (ラクダ)、ザイン (オリーブ) の4つから始まっていました。つまり、家畜、住居、輸送、農耕という文明の4つの柱を示していたわけです。かのダビデ王も、オリーブ油をもっとも大切な宝のひとつと考え、イスラエル部族の中から最もすぐれた者にオリーブの世話をさせたという記録が残っています。また、イエスはオリーブの園で祈り、さらに彼が刑に処された十字架もオリーブの木でできていました。ヘブライ語のメシアとギリシャ語のクリストスは、いずれも「聖油 (オリーブ油) を注がれた者」を意味し、イエスの通称 (キリスト) となりました。

このように、オリーブは中東地域とはとても縁が深い木です。現代のアラブ料理にもオリーブは欠かせません。食卓には塩コショウとともにオリーブオイルが置かれ、オリーブの漬け物はヨルダン人の大好物となっています。ある食事会の席で、ヨルダン北部イルビド近郊のティブネ村に残るローマ時代のオリーブの木のことを知りました。その後、職場でイルビド出身のスタッフに聞いてみると「ティブネもいいけどうちの村のオリーブも古いよ」ということだったので、さっそく彼の実家があるサハム村 (イルビド近郊) に連れて行ってもらいました。そこで見たオリーブの木は、背は高くないものの、さすがに堂々としたものでした。幹のうち根元のあたりの一番細い部分を測ってみると、なんと胴回りが5.6メートルもありました。ローマ時代のものかと聞くと、それより前のギリシャ時代のものだという言い伝えが残っているとのことでした。樹齢も3000年と言われているそうです。当時、この地域にあった野生のオリーブにギリシャ人が目を付け、このあたりではサハム村を拠点に栽培を始めたそうです。なんでもサハム村の土地を掘るとギリシャ時代の遺物が出土し、ときどき村人が掘り当ててはお小遣い稼ぎをしていると聞きました。うらやましい。

職場のスタッフに連れられて、樹齢3000年とも伝えられるオリーブの古木を見た時は、予想をはるかに超える大きさに、いたく感動したものです。その時は、おそらく村で一番大きな木を見せてくれたのだろうと思っていましたが、その後1人でドライブがてら再びサハム村を訪れると、まぁ、あるわあるわ。前回見た木のまわりを10分も歩いていると、同じ大きさかそれ以上のものが、すぐに10本ほど見つかりました。幹の直径が2メートル以上の木も数本ありました。古木の根元に腰を下ろすと、しばらくは空を眺めながらしみじみとしてしまいました。時空を越えた悠久の時を感じる、というやつです。一応、幹に耳をあててみましたが、さすがに何も聞こえませんでした。修行がたりない?。ちなみに、インターネットでイタリアにある樹齢1200年と伝えられるオリーブの木を見てみたら、思いの外細く、ますますヨルダンの樹齢3000年説に信憑性を感じました。
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