« コーヒーの伝説 | トップページ | 一夫多妻 »

2006年8月 8日 (火)

パレスチナ人は故郷に帰るのか

パレスチナ問題解決の糸口が見えないまますでに60年が過ぎ、ヨルダンで60%以上を占めると言われるパレスチナ系の人たちも4世代目に入っています。もちろん彼らの国籍はヨルダンで、パレスチナ人という意識はあるものの、パレスチナという土地に対しては漠然とした感慨があるだけという人も多いようです。特にビジネスで成功した人などは、仮にパレスチナが独立を果たしたとしても、ヨルダンに残るのが大半だろうと聞きます。確かに60年前の自分の土地がそのまま残っているわけもなく、それを証明することは難しく混乱は必至であり、独立が新たな争いの始まりともなりかねません。「その日」が訪れたとしても、はたしてどれほどの人が帰還するのだろうとやや懐疑的に思っていました。

しかし、あるパレスチナ系ヨルダン人の家に呼ばれたときのことです。こちらの人は親戚が多く、その日もいろいろな人が集まっていました。その中で一番年輩の男性が、出身村の土地台帳 (地図) を持っているということで、少し話を聞きました。「わしはイギリス軍の施設で働いていたんだ。1950年にイスラエル軍に村を追われてな。帰れば20ドヌム (2万平米弱) の土地があるんだ。オレンジ、ブドウ、オリーブ、何でもあったよ」。そう言う彼は息子さんの方を見ました。息子さんは少し照れながら言います。「私は小さい頃から父の話を聞いて育ちました。今では私が息子たちに話して聞かせています。これはずっと伝えていかなければならない話なんです」。アンマンで家具屋を営むという彼は、すでにこちらで財をなし、家も建てているそうです。それでもパレスチナ独立の際には帰るのですかと聞くと、「それが祖国のため (サビール・ワタニー) です」と静かに、力強く答えました。

|

« コーヒーの伝説 | トップページ | 一夫多妻 »

旅行・地域 ヨルダン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« コーヒーの伝説 | トップページ | 一夫多妻 »