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2006年8月 9日 (水)

イスラム教徒の結婚

ある年、職場で立て続けに2名が婚約をしました。そこで、かねてから疑問に思っていたことをいくつかたずねてみました。まずはマフル (結納金品) について。他のアラブ諸国と同じように、ヨルダンでも結婚するとき男性から女性にマフルが渡されます。マフルは結婚式の席で渡すものと、その後の人生の中で渡していくものに分けられます。現金、宝飾品、生活用品、土地や家の所有権などさまざまなものが考えられますが、ファミリーの格式や花嫁の学歴などによって、マフルの金額や内容は千差万別です (女性の美しさも大いに関係あるとか)。結婚式には裁判所から結婚登録人が出席し、花嫁、花婿、両家の父親 (保証人) とともに、マフルが記された書面にサインをします。この書面には法的な拘束力があるので、結婚とはまさに契約なのだそうです。特筆すべきは、離婚の際の慰謝料が、結婚の時点ですでに決められていることです。男性から離婚を申し立てた場合、女性側に額面通りのものを渡されなければなりません。そのため、離婚を防ごうと莫大な金額を書き込む花嫁の父もいます。もちろん花嫁にそれだけの価値 (←嫌な言い方ですね) がある場合ですが。スタッフの1人から「うちの妹のは慰謝料に純金3キロだよ」と聞いたときは、思わず相手の花婿さんに同情してしまいました。結婚する当人にマフルはいくらかとたずねたら、そこはどうしても言ってくれませんでした。あまりたくさん出せないので、世間体が気になるといったところでしょうか。

結婚後の夫婦の姓については、特にファミリーネームの変更はないとのことでした。パスポート上でも、ヨルダン人の女性は結婚しても氏名は変わりません。ファミリーネームもそのままです。自分の名、父親の名、ファミリーネームの順番で記されます。ただし、パスポートの中に「Wife of Mr.XXX」と付記されるそうです。なお、生まれた子供は必ず父親のファミリーネームを名乗ります。日本では夫婦どちらかが変更しなければならないと言うと「ファミリーネームをなんで捨てられるんだ」と不思議がられてしまいました。言われてみれば確かにそうですよね。また、ヨルダン内務省は、男子が結婚すると「家族手帳」を発給します。色はブルーですが、形やサイズはパスポートそっくりです。まず夫のページがあり、続いて妻、子供のページがあります。夫と妻のページには顔写真も入っています。これは子供のパスポート申請や、遺産分与の時に使うそうです。ちなみに、以前の手帳には妻のページが4人分あったそうですが、現在は1人分しかありません。相当懐に余裕がないと複数の妻帯は難しいですし、昨今は社会的にも一夫多妻に対する批判がよく聞かれますので、そのあたりの事情を考慮して、妻のページ数が減ったのかもしれません。

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