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2006年8月30日 (水)

国家の行方

「国家 (State)」とは、一般には一定の地域社会の上に成立する統治機構 (権力組織) をさしますが、その下にある社会そのものをさす場合もあります。古くはギリシャの都市国家、古代ローマや中国にみる帝国、遊牧民の部族国家、中世ヨーロッパや江戸時代幕藩体制のような封建国家など、いろいろな形態があります。しかし、今日私たちが「国」として認識しているのは、16~17世紀の近代西ヨーロッパ社会が生みだした政治共同体としての国家の形でしょう。近代国家は領域・主権・国民 (民族) から構成されます。特に国民は言語、文化、宗教など相当の共通性が保たれているべきものですが、近代国家ではそれを政治的に包括してしまいました。そのため、多くの地域ではその後民族を基本的単位とした国民国家 (Nation State) へと再編成される動きが止まず、21世紀を迎えてなお、独立を求める地域紛争はたえません。

2002年にはヨーロッパで通貨統合が実現しました。今後ヨーロッパでは、国家という枠組みが少しずつ曖昧になっていくのかもしれません。「自分はフランス人ではなくノルマンディー人である」などと、より個人のアイデンティティーに根ざした帰属意識を持つようになるのではないでしょうか。一定の経済水準が保証されるという条件は必要でしょうが、世界の各地域で、このような意識変革はますます加速していくものと思われます。自分にとって居心地がよいと感ずる共同体に所属することは、きわめて自然なことだからです。そのような場合、宗教はとても重要な要素だと思います。100年後に「大イスラム共和国」ができていたとしても不思議ではありません。ひょっとしたらビートルズが好きだという条件だけで、1000万人くらいの「ビートルズ帝国」などもできてしまうかもしれません。もし今、あらためて所属する国や地域、コミュニティーを選ぶとすれば、どこを希望しますか?。私の場合は、うーん、やはり独立国家を宣言しそうです。しかし国家予算が少なすぎるか。がっくし。

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