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2006年8月11日 (金)

語感

言葉のもつ感じ、ニュアンスというのは、その言葉に対するこちらの知識あるいは思いこみによって変わってくるのかもしれません。アドベンチャーと聞けば冒険そのものですが、アバンチュールというと何か奔放な恋愛を想像してしまいます。また、青い鳥といえばかの名作を思い出しますが、ブルーバードではまったく別物の印象を受けます。さて、ある日、日本のテレビ番組のビデオを見ていたら「朧月夜」というお姫様が出てきました。きれいな名前だなぁと思いましたが、これを「Oborozukiyo」とローマ字で書いて、意味をアラブ人に説明したとしても、私が感じたほどの感動はないでしょう。逆に、アラビアンナイトで有名な「バドルルブドゥーリ姫」は、例えこれが「満月の中の満月」という意味だと聞いたとしても、大多数の日本人にはピンと来ないでしょう。逆に濁音ばかりで汚いと感じる人もいるかもしれません。総じてアラビア語は力強い単語が多いように思います。「I love you」が「バヒッベック」というのは、もうちょっとなんとかならないかと思います。

一方、日本語っぽいアラビア語、またその逆というパターンもいくつかあります。日本語のような単語の場合、名前になりそうなものもあって、実際に自分の子供にアラビア語とかけた名前をつけた人を何人も知っています。ヤスミ (ヤスミーン:ジャスミン)、マリカ (マリカ:女王)、ハヤト (ハヤート:人生)、アヤ (アーヤ:奇跡、コーランの一節)、ミナ (ミーナー:港) などです。逆に、日本人の名字でアラビア語の単語に近い音のものがあり、そういう人たちはアラブでもすぐに名前を覚えてもらえます。浜田 (ハマーダ:よくあるアラブ人の名前)、前田 (マーエダ:食卓)、平 (ターイラ:飛行機) などが有名なところです。平さんの場合、飛行機の口語である「タイヤール」と呼ばれていました。最悪なのは (と言っては恐縮ですが)、楠さんでした。こちらの口語では女性のそのものズバリであり、もっとも言ってはいけない単語です。この方は一度エジプト人に自己紹介をして大爆笑になって以来、ファーストネームを言うよう心に誓ったそうです。

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