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2006年8月10日 (木)

イスラムは女性に優しい?

アラビア半島の民族は、古来より女性をとても大切にしてきました。地域に残る古代詩に「月が男性で、太陽が女性なのだ」というものがあります。アラビア語は名詞に性別があり、太陽 (シャムス) は女性形、月 (カマル) は男性形であることから、象徴的な女性賛歌であると解釈されています。しかしイスラムが広まって以降、女性は自由を剥奪され、その生活は極めて制限されていると言われています。確かに、湾岸産油国では女性の選挙権や社会進出はほとんどありませんし、このように思われても仕方ありません。しかし、これは女性の権利を剥奪しているということではなく、むしろ女性を保護するという観点から導入された社会システムでした。女性がベールを被ることについては、コーラン御光章第31節に「外にあらわれるものの他は、彼女らの美を目立たせてはならない。それからベールを胸の上に垂れなさい」と記されています。そしてベールを取って良い男性は、自分の夫、父、夫の父、自分の息子、夫の息子、自分の兄弟、兄弟の息子、姉妹の息子、自分の右手に持つ者 (奴隷)、性欲を持たない供回りの男、幼児だとされています。そうかと思うと、同章第60節には「結婚を望めない産児期の過ぎた女は、その装飾をこれ見よがしに示さない限り外衣を脱いでも罪ではない」と記されています。わざわざこのような啓示が下されたということは、当時それだけ風俗が乱れていたのかもしれません。若い女性が男性から襲われる事件が頻発したとか。

コーランが下された時代、女性には相続権などまったくありませんでした。そんな時代背景の中、コーランには女性に対して相応の遺産相続をさせるよう記されています。婦人章第11、12節には「男児には女児の2人分と同額。もし女児2人以上の時は遺産の3分の2を受ける。もし女児1人の時は2分の1を受ける。またその両親はかれに遺児のある場合、それぞれ遺産の6分の1を受ける。もし遺児がなく両親がその相続者である場合、母親はその3分の1を受ける」というようにいろいろなケースが記されています。さらに兄弟への分配や妻名義の遺産について述べ、そしてもっとも大切なのは必ず遺言を果たすことだと記されています。このように、イスラム教は女性の地位向上という観点では当時の世界のどの地域よりも先進的な考え方をもっていました。問題は、それから1400年以上たった現代において、文字通りの解釈をあてはめることが正しいのかどうか、ということでしょう。

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