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2006年8月22日 (火)

シャリーア

イスラム法 (シャリーア) では、刑罰はキサース (報復)、ハッド (法が厳正に定めた刑罰)、タージール (懲戒、矯正) の三つに大別されます。キサースは、イスラム以前に行われていた無制限の報復 (復讐) を、コーランをもとに同害報復に改めたものです。ある者が他者を故意かつ不当に殺害した場合、加害者を殺す権利が被害者の相続人に与えられます。傷害の場合は同程度の傷害を仕返す権利が与えられます。また、同害報復の代わりに、血の代償 (賠償金制度) も認められました。ハッドは法に絶対的であり、加減は許されません。姦通罪には石打ちの刑 (既婚者) か鞭打ち (未婚者)、飲酒罪には鞭打ち、窃盗罪には手足の交互切断 (初犯=右手、再犯=左足、3犯=左手、4犯=右足) などです。タージールは裁判官の裁量に任されており、文書偽造や偽証などが対象となります。19世紀に至り、イスラムの刑罰は西欧の影響により改革の必要性が主張され、1858年にはオスマントルコが刑法典を制定するなど近代化の兆しを見せました。しかし1970年代以降、シャリーアの実施をあらためて主張する動きが強まり、特にハッドの施行意義が強調される傾向にあります。

私も某国のスークで買い物をしている時に、店の人に向かってやたらとフガフガ言っている人を見かけたことがあります。その老人、実は顔なじみのようで、店の人も何を言われているかきちんと理解し、テキパキと物の受け渡しをしていました。横でポカンとしていたら、店の人が「あのじいさん、昔詐欺をやらかして舌を抜かれたんだよ」と笑っていました。「笑ってる場合じゃないだろ」と思いましたが、周りにいた人たちも口を揃えて「これがイスラムなんだ」となんだか誇らしげに言っていました。イスラム諸国の犯罪発生率が低い理由が良くわかった瞬間でした。ちなみに、ハンムラビ法典の「目には目を、歯には歯を」という有名な一文は「目をやられたら目だけに報復しなさい、それ以上はだめよ」と言っているのであり、復讐がエスカレートするのを防ぐ目的があったそうです。なるほどね。なお、シャリーアに文句をつける気はありませんが、異教徒の場合でもイスラム法を適用させるのはいかがなものでしょうか。以下、事例を2つほど。

■首切り
日時:とある金曜日の昼
場所:とある市内の広場
観衆:多数。200~300名?
警備:警官数十名
入場:護送車にて到着
人数:男性3名
国籍:アラブ人
衣装:白装束に目隠し。後ろ手に緊縛
状態:動作緩慢。薬物注射済み?
位置:広場中央に正座
礼拝:観衆は一旦その場で正午の礼拝
準備:首切り職人登場、蛮刀を素振り
執行:見事な一刀、ほとばしる血柱
終了:首と遺体を集めて車に積み込む
罪状:女性に猥褻行為
備考:見るんじゃなかった…

■石打ち
日時:とある金曜日の昼
場所:とある市内の広場
観衆:多数。200~300名?
警備:警官数十名
入場:護送車にて到着
人数:女性1名
国籍:アラブ人
衣装:白装束に目隠し。後ろ手に緊縛
状態:動作緩慢。薬物注射済み?
位置:広場中央の柱に縛られる
礼拝:観衆は一旦その場で正午の礼拝
準備:観衆が各々石を手にする
執行:観衆が石を投げつける
終了:絶命を確認し遺体を車に積み込む
罪状:かけ落ち
備考:先輩に聞いた古い話、先輩は投げられなかったとのこと

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