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2006年9月 9日 (土)

ヨルダン水事情

ヨルダンはイスラエルと1994年に和平条約を結んだことから、イスラエル領ティベリアス湖 (ガリラヤ湖) から年間5000万トンの水を引く権利を得ました。そのため、アンマンでは夏期週1日、冬期週2日ながら、安定的な給水が行われるようになりました。しかし、雨が少ししか降らない年にはこの協定が履行されないことも多く、常に不安定要因となっています。確かに、ティベリアス湖から流れ出たヨルダン川の途中にある分水地点を見ると「こんな細い川で2国の民を養えるの?」と不安をかき立てられます。ちなみに、アンマンの各家屋には地下貯水タンクがついていて、1週間分の水をタンクに溜めておけるので、節水を心がけていればほとんど断水の心配はありません。ただ、赴任したての頃1度だけ失敗しました。ある木曜日の午後、一度にまとめて洗濯をしました。1回、2回と快調でしたが、3回目の洗濯のすすぎの途中で、水がぱたりと止まってしまいました。見れば屋上の水タンクだけでなく、地下貯水タンクも空っぽでした。近所の空き地に給水車が止まっていることは知っていましたが、これも良い経験と、給水予定の日曜日 (朝8時から24時間給水) まで断水のまましのぐことにしました。他の蛇口からは屋内配管に入っていた水が出てきたのでバケツに受け、体を拭くことなどに使用。食器類は紙で汚れを拭いてそのままキープ。トイレの大きい方は近所のホテルで…。日曜日に水が来たときは心底感動しました。それからはけっこう神経質に節水を心がけました。

ヨルダン周辺の国も、水問題 (Water Crisis) になんとか対処するため、さかんに政治的かけ引きを行っています。トルコ政府がイスラエルに対し、年間5,000万トンの河川水を売却することを決めたのには理由があります。トルコも決して水が豊富というわけではなく、この10年で巨額を投資し、チグリス・ユーフラテス川に22のダムと19の水力発電所を建設してきました。さらなる水量確保のため、新たなダムを建設する計画が進んでいますが、そのため下流のシリアおよびイラクとは緊張状態が続いています。そこにアラブの天敵であるイスラエルの存在をちらつかせることで、圧力の緩衝を図ったのだと思います。チグリス・ユーフラテス川とナイル川の水利権については、流域周辺諸国間で現在もぎりぎりの折衝が続いています。中東の水問題はまさに一触即発の状態なのです。
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