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2007年2月15日 (木)

ティヤ、世界遺産?

エチオピアには4つの世界遺産 (文化遺産) があります。アジスアベバから車で1時間半ほど南西に下った所にあるティヤの遺跡は、もっとも手軽に見ることができる世界遺産です。800年ほど前に造られたという以外は、ほとんどペールに包まれたままで、見る者の想像力を大いにかき立ててくれます。

アフリカのグレートリフトバレーは、人類発祥の地とされます。エチオピアでは北東部のハダールでかの有名なルーシー (350万年前の人の化石) が発見されています。アジスアベバからティヤに向かう途中にも、人類の歴史の痕跡が残されたメルカ・クントゥレという村があります。メルカ・クントゥレは、アワシュ渓谷上流に位置し、170万年前の石器や化石が発掘されています。この場所が発見されたのは50年ほど前のことですが、今後、より貴重な発見がなされるかもしれません。

■インプレッション
「ティヤに行く途中のアワシュ川を渡った先になんかあるよ〜」という、きわめてあやふやな情報をもとに、8月のある日、アジスアベバから南西に一路車を走らせました。8月のエチオピアは大雨期のまっただ中。どんよりと曇った空の下、ときどき激しい雨におそわれながら1時間ほど車を走らせると、アワシュ渓谷にさしかかりました。渓谷にかかった橋の下には、濁流がごうごうと音をたてながら流れています。これがうわさのアワシュ川かと、その迫力にしばし見とれてしまいました。この橋を渡ると、すぐにアムハラ語のそれらしき看板があります (注:その後英語の看板もできた)。そこを右に曲がっていくと、しばらくしてメルカ・クントゥレの博物館があります。博物館といっても、発掘された石器と化石を並べてある小さな小屋です。

展示品は、黒曜石などでできた石器、そしてカバなど動物の化石です。すぐ近くで発掘されたそうですが、雨期は道がぬかるんで現場までは行くことができないと言われました。展示パネルを見ると、川原のような場所一面に黒曜石が落ちています。こういうところで、いつか自分の手で本物の石器を拾ってみたいものです。もちろん、個人で行ってそんなことができるかといえばそれはわかりませんが。考古学が好きな人にとっては、きっとエチオピアはすばらしく魅力ある国なのだと思います。しかしながら、普段考古学とは無縁の自分にとっても、メルカ・クントゥレはなかなかに魅力的なサイトでした。

メルカ・クントゥレで少々興奮したあと、いくつか小さな町を越えて、ようやくティヤの村に着きました。道ばたに英語の看板があるので、そこを左に入っていきます。車が来ると、その辺にいた子供たちがウワーッと駆け寄ってきました。道がぬかるんでいたためそこで車を止めると、あっという間に30人ほどの子供たちに取り囲まれました。みんな口々に「ザバニヤ」と言っています。ザバニヤとは番人の意味で、車を見ていてあげるということです。100mほど先に遺跡が見えていたので、別に番人が必要というわけではありません。その声は無視して歩いていくことにしました。いつものことですが、ぞろぞろと子供たちがついてきます。たまに観光客も来るのでしょう、「1ブル」とか「ペン」とかいう子供もけっこういます。まぁ、うっとうしい以外の何物でもありません。

遺跡は手作りのフェンスで囲まれていました。鍵のかかったゲートがあり、どうしようかと考えていると、どこからともなく鍵を持った番人が現れました。ノートを手にしており、自分はオフィシャルガイドであると言い、ノートに書き込まれたティヤの遺跡のスケッチを見せてくれました。話を聞くと、12世紀に建てられたこの遺跡は戦士の墓であり、石碑に刻まれた剣は倒した敵の数であるとのことです。それ以外はあまりよくわかっていませんが、ティヤ近郊には、同じように石を加工した遺跡がいくつもあるそうです。ちょっとこの規模で世界遺産はどうだろうとも思いましたが、そうやってこのあたりを観光開発していこうという思惑があったのではないかと想像します。

20分ほど遺跡を見てから車に戻ってみると、2、3人の子供たちが手にペンキ缶を持って車を洗っています。ペンキ缶に入れた水をばしゃばしゃかけながら洗っているのは良いのですが、缶がボディーにごんごんあたっています。見ればあちこちすり傷もできています。頭にきて大声で子供たちを追っ払うと、さっさとその場を後にしました。ちなみに、遺跡への入場料はあってないようなもので、1人のガイドは1グループ10ブルと言い、別のガイドは1人10ブルと言います。エチオピアのような国では仕方ないのかもしれませんが、ちょっと外国人が来るようになると、たちまち人々の心がすさんでくるように思います。それなりに観光資源があるのに、こんなに観光しづらい国はないかもしれません。外国人を金づるだと思うのはかまいませんが、それ相応のサービス (きちんとした情報の提供とか) はしてもらいたいものです。

ちなみに、石碑の写真に彫られた剣のレリーフ。「スペースシャトルだ!!」と思ったのは私だけではないでしょう。下のはカタパルトみたいだし。「古代エチオピア王国に飛来した謎の宇宙船、アビシニア高原に隠された驚愕の真実」とかなんとかいうレポートが「ムー」に載っていても不思議ではないです、ハイ。

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