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2007年2月 2日 (金)

ラリベラ

エチオピア北部、3000メートル級の山々が連なる高原地帯に、伝説に彩られた町、ラリベラはあります。12世紀、エチオピア王国ザグウェ朝の第7代国王ラリベラにより造られた11の岩窟教会群は、1978年、世界遺産に登録されました。中世、聖地エルサレムに続く道がイスラム教徒により占拠され、巡礼が困難になったことから、ラリベラ王はその地に第2のエルサレム建設を試みます。巨大な一枚岩を掘り抜いて造られた11の岩窟教会群は、すべて地下トンネルでつながっていると言われています。

<聖救世主教会 (メダハネ・アレム教会)>
ラリベラで一番の大きさを誇る教会です。窓の形にアクスム様式とギリシャ様式の十字架が彫られています。

<聖マリア教会>
人類の誕生と終末を描いた壁画があるとされますが、その柱は布に包まれ見ることはできません。キリストの昇天など聖書をモチーフにしたフレスコ画が、天井や壁を彩っています。

<聖エマニュエル教会>
第2グループ教会群の中でもっとも美しい外観をもつと言われていますが、修復と保護のためカバーがされています。

<聖ギオルギス教会>
正十字形に岩を彫り抜いて造られた教会です。内部には柱がありません。ノアの方舟を象徴しているとされます。

■インプレッション
ラリベラといえば、世界遺産としてその名を知られる、まさにエチオピア観光のハイライトです。アジスアベバからは飛行機が何便も飛んでいるし現地にはホテルもそれなりにありますから、行こうと思えばすぐにでも行けたのですが、なんとなく先延ばしにしていて、エチオピア生活3年目にしてようやく現地に行くことができました。その時はあるNGOの人たちと陸路で出張をしている最中で、行程上ラリベラで1泊ということになり、タナボタで観光することができました。

「ベストガイドを手配しておいたから」という心強い言葉をもらい、NGOの人とは入り口で別れ、1人で期待に胸をふくらませながらチケット売り場へ行きました。しかし入場料は外国人100ブル (1300円) とかなり高い。100ブルあればレストランで10食くらい食べられるなぁと思いつつも、いそいそと支払いをすませました (1度チケットを買うとそれで何度も入場できるらしい)。しばらくその場で待っていると、例のオフィシャルガイドが姿を現しました。時間に正確なのは大変けっこう。こちらも気分良くにこやかに握手をすると、なにやらぷーんと臭いが。なんと彼の息が尋常ではないくらい酒臭い。しかも白目が真っ赤。この若者、ラリベラで学ぶ神学生とのこと。日曜日だとしても、午後2時からこんなに酔っぱらっていてどうする。

気を取りなおして、まずはラリベラで1番大きいメダハネ・アレム教会へ。11ある教会はすべて岩を彫り抜いて造られています。確かに12世紀の当時としては大変な工事であったと容易に想像できますが、現代の技術をもってしても同様の建造は不可能、というガイドの説明には少し疑問が。それを言うなら現代のエチオピア人には無理ってことでしょ、などという野暮なつっこみは胸にしまって教会の内部へ。中は薄暗く、人の汗と垢の匂いが目にしみます。天井が高く、かなりの広さを感じるのは立派ですが、目立った装飾もないのでガイドの説明にも生返事をかえしさっさと外へ。

次に訪れた聖マリア教会は、その小さな外観からは想像できませんが、内部の壁という壁が、聖書をモチーフにしたフレスコ画やラリベラ王の紋章などで埋め尽くされています。当時これを造った人たちの宗教に打ち込む姿が目に浮かぶようで、しばらく見入ってしまいました。これで臭くなかったらねぇ。本当に残念。ふと気がつくと、若者3人組が後ろにじっと立っています。場所を移動すると、静かに後をついてきます。どうやら、将来のガイドを目指して、私のガイドの説明を覚えようとしているようです。なんだかほほえましくなって、こちらもあえてよくありそうな質問をしてみたりして。でも、この酒臭いガイドからは、結局最初から最後までガイドブックに書いてある以上のことは説明してもらえませんでしたが。

続いて、今回のラリベラ訪問でもっとも期待していた聖ギオルギス教会。十字架の形をした美しい外観をもつこの教会は、ラリベラ王の夢枕にたった聖ギオルギスのリクエストに応えるために造られたそうです。ちょっと拍子抜けが続いていたので、ここが最大の感動のしどころだと少し肩に力が入りすぎていたせいでしょうか、実際に見た教会は想像よりも小さく、思わず口をついて出た言葉が「へぇ〜」。小さいと思ったのは、単に容積というよりも、どうやらその場の空気の密度というか、これまでずっと見てきた巡礼者であふれかえる写真とくらべたら、やけに閑散としているなぁと、そういう感じだったからです。面倒でも、人が一番集まるクリスマス (1月7日) あたりに来た方が、ラリベラ本来の姿が見られるのではないかと思います。

いろいろと文句も言いましたが、ラリベラが必見の場所であることは間違いありません。ただ、世界中どこでも聖地なんてのは乞食であふれかえっているものですが、やはりここも、歩いているとひたすら物乞いが声をかけてきます。乞食が職業として (?) 成立してしまう世界というのは、いかがなものでしょう。宗教によって彼らは堂々と物乞いをしてきます。その上、お金をもらいながらも「相手に喜捨をする機会をつくってあげた」という上目線に立つことができるのです。「うまくできているよなぁ」なんて思うのは、罰当たりですね、ハイ。最後にガイドと別れるとき、「日本人は普通200ブルのチップをくれるぞ」とすごんできました。こんなバカな話にはいちいち怒る気もしません。まぁヒマだったので、彼を近くの喫茶店に連れて行き、いかにガイドとして200ブルのチップをもらうに値しないかを20分ほどかけて懇々と説明し、コーラをおごり、最後に20ブルのチップを渡しお互いにこやかに別れました。

■ひと口メモ
*ラリベラ王の名はハチミツ (ラル) を食べる (イベラ) から来ています。
*教会内部で当時の十字架や杖を見ることができます。中には純金で7kgの十字架も。
*坂の下のLal Hotelに泊まりました。1泊150ブル (約2000円)。観光地はやっぱり高い。
*他の土地ではめったにお目にかかれないゴマのワットを食べました。まんまゴマペースト。濃厚。

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