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2007年9月18日 (火)

エチオピア農業の可能性 (1)

エチオピアの人口はすでに7,000万人を大きく上回っており、そのうち、都市部ではなく村落地域に住む人口は約8割に達します。村落地域にはいわゆる農村ばかりではなく、半砂漠地帯などまったく農耕に適さない土地も含まれており、またそこで遊牧生活を行う人々もまだまだたくさんいます。それでもなお、農業に従事する人は全労働人口の80%を占めるとされているので、エチオピアは農業国家と言っても過言ではありません。実際、国家経済は農業部門に依存しており、GDPの52%、輸出総額の85%は農業部門が占めています。

輸出作物としてもっとも有名なものはコーヒーです。エチオピアといえばシダモコーヒーと、ピンとくる方も多いでしょう。しかし、近年の世界的なコーヒー価格の下落によって、エチオピア南部州のシダマ地域のコーヒー農家でさえ、コーヒー畑の横でチャットを栽培する光景を目にするようになりました。チャットは、その若葉を口中で噛んでいるとおしゃべりになるなど軽い覚醒作用があると言われており、国によっては麻薬指定を受けるなど悪いイメージがありますが、エチオピア人にとってはごく日常的なものです。チャットの市場は大きくて、国内消費ばかりではなく、近隣諸国への輸出についてはすでに輸出総額のトップになっています(欧米向けでは依然コーヒーが高い割合です)。

国内消費用の食用作物としては、テフ(主食であるインジェラという発酵パンが作られる)、小麦、メイズなどが作られています。しかし、ほとんどは自然環境(雨期)を利用した伝統的農法のままで、ひとたび干ばつが起これば、たちまち生産高が大幅に減少してしまいます(近年では2002年)。毎年6月中下旬に雨期が始まると、カラカラに乾燥していた畑にも湿り気がもどり、牛を使って耕し始めます。8月頃、畑に種を蒔きますが、手でばさばさと蒔いていくのがなんともおおざっぱです(昔そんなCMがありました)。あとは十分な雨さえ降れば、テフや小麦はすくすくと育っていきます。9月下旬に雨期は終わりますが、ここから12月頃まであまり手入れもせず、実が熟すのを待つばかりです。刈り取ったあとは、しばらく野積みで乾燥させ、牛やロバを使って脱穀します。これら一連の農作業は、外国人の目にはほとんど原始的とも映ります。そして、次の雨期まで半年の間、ほとんどの畑は何もせず放っておかれます(それともあえて休耕?)。

※写真の植物が「テフ」。実は小さな小さな粒です。

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