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2007年9月19日 (水)

出張は冒険だ!? (2)

■さわやかな朝
昨晩ロッジに戻ると、予約したときにはいなかった宿泊客がいました。南部州農業研究センターの教授で、偶然にもゲタッチョさんの知人でした(この人は知人だらけだ)。「朝7時半に車が来るから町まで乗せていってあげる」という親切な申し出を受けていたので、私もゲタッチョさんも6時半には起きてロッジの庭を散歩していました。特に時間を決めていたわけではありませんでしたが、「朝食をとってさらに7時半出発だから」と、自然とそんな時間に起きていたのです。濃霧に包まれた緑の庭はとても幻想的で、昨晩の疲れを吹き飛ばしてくれました。

しかしいつまでたっても教授は起きてきません。広大な庭の片隅にレストランのような建物はありますが、朝食が準備されている気配もありません。ゲタッチョさんも少し不安になったのか、「教授を起こしてくる」と言ってロッジに入って行きました。結果として、車は7時半に来たのですが、そもそも朝食が始まったのが7時45分。のんびりと朝食をとり、ロッジを出たのが8時半でした。これにはさすがのゲタッチョさんもちょっと面食らっていたように見えました。

しかし朝食で食べたハチミツはおいしかったです。これまで食べたハチミツでは味わったことがない程の強烈な甘味、きれの良い華やかな酸味、そしてむせかえるほどの花の香り。さすがは緑豊富な森林地帯、ハチも良い仕事をしています。ハチミツの中に黒いものがけっこう入っていましたが、薄暗い部屋だったので食べているときはそれが何かはっきりとはわからず、「花ビラかな」程度に思っていました。去り際に1枚写真を撮りましたが、アジスに戻ってから写真を見てビックリ。もろにハチでした。食べちゃったよ…。

■親切……なの?
町の中心部に戻った後、まず行ったのは南部州政府事務所でした。ここで車を(タダで)借りたいとゲタッチョさんは考えたのです。私としてはさっさとミニバスをチャーターしたかったのですが、とりあえず彼の顔を立てることにしました。事務所の人たちは誰も彼も親切で、なんとか力になりたいという気持ちはひしひしと伝わってきましたが、結局のところ、仕事場の車をそう簡単に部外者に貸し出せるわけもなく、ただ時間が過ぎていくだけでした。

事務所の返事を待っている間、トヨタ車のタイヤ留めのボルトをいくつか買ったりして時間をつぶしていましたが、あっという間に10時半になってしまい、私もいい加減我慢の限界が来ました。ひとりミニバスが止まっているあたりに歩を進め、交渉を始めることにしました。するとゲタッチョさんがあわてて追いかけてきて、一瞬「いいの?」というような顔をしましたが、「200ブルで交渉してくれ」と私が言うと、あとは丁々発止のやりとりを始めてくれました。

故障した現場まで行かずに手前でうちの車にあったら100ブルにまける、という条件を取り付け、工具を積み込み町を出発しましたが、15分も走らないうちに、ヨタヨタと走ってくる我がプロジェクトカーとあうことができました。彼ら2人は、タイヤを直せず結局車中で一晩過ごしたそうです。昨晩お世話になったうちの数人が、朝も我々の所にやってきて(田舎の小さな町なので外人はとても目立つ)、「早朝、故障現場まで行ったけど車はなかった」とか、「夜中に故障現場に行ったら、車はあったけど誰もいなかった」などという情報をくれていて、ゲタッチョさんは「みんな親切だろ」とかなりうれしかったようですが、うーん、この人たちって、いったい……。

■ちょっと逆戻り
ボンガの町の汚い整備工場でタイヤの応急処置をしました。サイズの合うタイヤ留めボルトがなく、結局3本のタイヤから1本ずつボルトとナットをはずし、左後輪をその3本で留めることにしました(もともとボルトは5本)。1時間半かかってようやく修理が終わり、みんなで昼食をとることにしました。昨日夕飯を食べることができなかったホテルは、今度こそ食事がありましたが、期待していた肉料理はありませんでした。ツォム(肉断ち)の日でもないのになんで…。仕方なく野菜ピラフやスパゲティーを頼みましたが、テショメさんのピラフと私のスパゲティーには、当然のようにゴキブリが…(泣)。ま、ほんの小さなゴキブリなんですけどね。最初は皿の外に出して食べ進めていましたが、2匹目を発見したところで気持ちが折れ、あえなく断念。付いてきたパンを食べようと手に取りましたが、万が一と思ってパンをふたつに割ってみると、その中にもゴキブリが…(合掌)。あとはもう、アンボの炭酸でお腹をふくらますしかありませんでした。

食事の後、ゲタッチョさんはミザンタファリに進みたかったようですが、他の3人は一致してジンマに帰ることを提案。3時間半かけてジンマに戻りました。ゲタッチョさんは「さっきの整備工場では、この先何km走っても大丈夫って言ってたのに」と不満そうでしたが、そんないい加減な言葉を信じる人って逆に今時貴重かもしれません。つくづく、善意の人なんだなぁと思いました。徹底的に人を信用する、大切なことですが、今は4本のタイヤすべてが少ないボルトで仮留めの状態ですから、いくらなんでも無茶な話です。

ジンマは地方都市としては大きな方で、トヨタの整備工場があります。ゆるんだボルトで走ったタイヤは、ボルト穴3ヶ所が削れてかなり大きくなっていたので、その修理から始めました。修理の方法は、大きくなった穴に溶接で肉盛りをして径を小さくしてから、電動ドリルで元の大きさに戻すというものです。ちょっと強引に思いますが、エチオピアでは当然のように行われている修理方法で、確かに整備士の手つきも慣れたものでした。他にもタイヤの軸受け部分を分解してグリースを塗ってもらうなどして、ようやくこの先出張が続けられるという確信が持てました。この日はこれで終了。朝からイライラしっぱなしの1日でした。道ばたでアビシニアコロブスを見たのが、唯一心が和んだ瞬間でした。

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