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2007年9月19日 (水)

出張は冒険だ!? (3)

■森を走る
車を修理した翌日、早朝7時にホテルを出発し、ミザンタファリに向かいました。ところが、「せっかくジンマに来たんだから木工製品を買いたい」とスタッフが言い出し15分のロス。町を出て5分ほど走ったら運転手が「ガソリン入れるの忘れた」と言って町に逆戻りし20分のロス…。そんなこんなで先行きが不安でしたが、道中はなかなか興味深いものの連続でした。ジンマの町を出るとすぐに舗装なしの砂利道になります。交通量もそれほど多くなく、猿などの野生動物が頻繁に見られるようになります。まず、ハイエナが道を横切りました。想像していたよりも大きな体格をしていましたが、ひょこひょことおぼつかないような感じで小走りしていました。もしハイエナの後ろ脚が他の肉食獣並みに発達していたら、百獣の王はハイエナだった、という説を思い出しました。

しばらく走ると、だんだんと森が深くなってきました。ベレテの森です。道路をバブーンやアビシニアコロブスの群れが横切ります。子鹿も1匹見ました。エチオピアではとても希少な天然の森林です。ここからさらに西部地域にかけては、エチオピア有数の森林地帯が広がっています。エチオピア人スタッフも身を乗り出して窓の外を眺めています。途中、タッジで有名な村を通りました。タッジはハチミツからつくるお酒です。森は蜂を育て、蜂は良質のハチミツをつくり、そして人々はハチミツからタッジをつくるわけです。この村の人々は、他にもたっぷりと森の恩恵を受けて暮らしています。一歩森に入れば、いろいろなハーブやスパイス、ナッツ類が自生しており、それらは少ないながらも確実に現金収入を約束してくれます。我々も路上マーケットで車を止め、朝食代わりにナッツなどを買いました。値段は、アジスアベバに比べると驚くほど安いそうです。

ナッツを頬ばりながら先へ進むと、突然、お茶畑が目に飛び込んできました。日本を思い出させる、懐かしい光景です。車を止めてもらい、お茶の木を前に深呼吸をすると、少し青臭いような、新鮮な香りが感じられました。標高は1950m。一時期日本ではアフリカ紅茶といって、1800m以上の高地で栽培されたケニアあたりの紅茶が、健康飲料として話題になりました。高地は紫外線が強いので、お茶の葉もそれを防ぐためポリフェノールが増えるのだとか。以前そのことを人に話したら、エチオピアのお茶の産地は標高が低いからだめだと言われましたが、実際には十分な高度です。すぐそばに製茶工場と直販所があったので、みんなが買うのにつられ、私も思わず2kgも紅茶を買ってしまいました。

■ミザンタファリ
お茶畑からさらに走ること数時間。午後12時過ぎ、ようやく最初の目的地であるミザンタファリに着きました。ちょうど昼休みの時間なので、まずは昼食をとることにしました。皆でレストランに行きメニューを眺めていると、「ドロファンタ」の文字に目が留まりました。それまでの3年間で、エチオピア料理のメジャーなものはだいたい食べていましたが、唯一、名前だけ聞いていて食べたことがなかったのがドロファンタでした。私にとってまだ見ぬ強豪であったドロファンタにようやく出会え、喜んでそれを注文しました。卓上に運ばれてきたそれは、ドロ(=チキン)と言う割にはなぜかヒツジの骨付き肉でしたが(その理由は後日判明します)、肉、ソースともにとても濃厚で、まさに絶品です。私が食べたエチオピア料理の中でもベスト3に入るおいしさでした。

午後2時から、Woreda (郡) 事務所のスタッフとともに、民間のメタルワークショップを2ヶ所見ました。しかし、機材や人員の点でこちらが要求する基準を満たしていません(ハンドポンプ製造のため)。もうこれ以上のワークショップはないと言われ、どうしようか迷いましたが、「政府から融資を受けているワークショップってないの?」とたずねると、「少し遠いけど」という前置き付きで、別の場所に案内してくれました。車で10分ほど走り目的地に着いてみると、そこは民間のワークショップではなく、政府の職業訓練校でした。「え?、なんでここに?」と聞いてみると、「あなたが来たいって言ったんでしょ?」というトンチンカンな返事。どこかで通訳が間違ってしまったようです。でもせっかくなのでワークショップを見せてもらうと、当然ですが機材も人も充実しています。急遽、ここから人を呼びたいと伝えたところ、Woreda事務所の人も当初の計画 (民間を対象とすること) から大きく異なるアイデアにとまどい気味でしたが、同行したスタッフと20分ほど話をして、最終的には私のアイデアに同意してくれました。通訳のミスが生んだ偶然に感謝です。

この時、ボンガと同じくここでも大規模な教員訓練を行っていて、ゾーン事務所に行ったときも数百人の教員が集まっていました。そのため、良いホテルはどこも埋まっており、結局50kmほど離れたテピに移動するしかありませんでした。午後6時、テピ着。テピでは一番良い (高い) ホテルに部屋をとりましたが、シャワー、トイレともに水が出ず、ポリタンクで水を持ってきてもらいました。部屋に置いてあったロウソクを見てうすうすは気づいていたのですが、夜9時になると案の定電気が消えました。風呂場にロウソクの火を灯し、簡単に沐浴を済ませると、後はもう寝るしかありません。テピは標高が1200mと低く、寝入りばなはとても暑く寝苦しいものでしたが、アジスアベバ(標高2400m)よりも明らかに空気が濃く、久しぶりに熟睡できました。

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