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2007年9月20日 (木)

出張は冒険だ!? (4)

■ルート決定
昨晩、テピで夕食をとりながら、どのようなルートでジンマに戻るか皆で話し合いました。ずっと砂利道ですが素直に来た道を戻れば6時間でジンマに着きます。しかし、次の目的地であるホサイナには、どうせその日のうちに着くことは無理です。ジンマからさらに4時間走ればウォルキッテまで歩を進めることができますが、全部で10時間も悪路を走るのは運転手もかなりきついので、この日はやはりジンマに泊まるのが良さそうです。結局我々は北回りのルートを選びました。ジンマまで10時間ほどかかる計算ですが、後半は舗装道路のハズ、という情報もありましたし、何より、運転手が15年ぶりの生まれ故郷を見てみたいと言ったのが決定打となりました。このルートの途中にある村から、彼は15年前に父親に連れられアジスアベバに出てきたそうで、故郷にはまだ母親と兄弟がいると言うのです。

■ハチミツ
朝6時半にテピを出発。あたりはまだ薄暗く、森林は朝靄に包まれています。しばらくすると朝日がのぼり、そのころには標高も2000mを越えました。1時間ほどでゲチャという村に到着し、後ろの席からゲタッチョさんが運転手に何か言うと、車はスピードを緩め、一軒の雑貨屋の前に止まりました。彼らの目当てはハチミツです。いくつか店をのぞき、最終的に「Post Office」の看板を掲げているハチミツ屋で買うことに決めました。少しなめさせてもらったら、強烈な甘味と、続いて口の中にふわっと華やかな香りが広がりました。極めて上質のハチミツです。ここの森も住民に大きな恵みを与えているようです。

値段は1kgで12ブル(160円)。みんな目を輝かせてハチミツを買っています。運転手は日当が47ブルなのに、6kg入り72ブルのボトルを買っていました。私はとりあえず2kgボトルを買いましたが、あまりにみんなが「たったそれだけ?」という顔をするので、他の人のお土産にしようかななどとつぶやきながら、もう2kg買いました。アジスアベバに戻った後、あらためてそのおいしさに感動したので、確認のつもりでスーパーから買ってきたいくつかの国産ハチミツと食べ比べてみると、スーパーで買ったものは値段は高いくせに、ゲチャのものと比べたらまったく似て非なるもの、とても食べられる代物ではありませんでした。ゲチャであと10kgくらい買えばよかったかなと後悔してしまいました。

■南部州からオロミヤ州へ
ゲチャを出ても相変わらず森林が広がっています。窓の外をぼんやりと眺めていたら、「森ではコーヒーが栽培されているよ」と言われました。そう言われて、初めて森の大木の根元に植えられている大量のコーヒーの木に気が付きました。コーヒーの木は炎天下よりも日陰を好むと以前シダモで聞きましたが、この一帯に広がる明るめの森は、コーヒーの生育環境としてはうってつけなのだそうです。森はスパイスやハチミツだけでなく、コーヒーをも生み出していたのです。

マシャの町に着いたときには標高が2200mを越えていました。南部州水資源局からは、ぜひマシャからも訓練生を探してきて欲しいと言われていました。聞けば、マシャが属するシャカゾーンは、南部州で唯一外国ドナーの援助が入っていない地域で、南部州のもっとも西の端にあり、州都のアワサに行くのもバスで3日かかるほどの辺境です。確かに、電気のラインもなく(自家発電機のみ)、ドナーが尻込みするのもよくわかります。いずれにしろ、我々の要求するメタルワークショップはなかったので、マシャでの訓練生発掘は実現しませんでした。ちなみに、マシャの町の前後にも竹を栽培している民家がいくつかありましたが、その先のゴレでは、道路の両側に野生の竹林が広がっていて、なかなか風情のある景色でした。

ゴレを出ると、しばらくしてオロミヤ州に入りました。すぐにマトゥという大きめの町に着き、ここには運転手の親戚や友達が何人か住んでいるとのことなので、私たちは喫茶店で休憩、運転手は挨拶まわりをしてくるということになりました。時間は11時をまわったところです。どうやらこの先はあまり大きな町がないそうで、ゲタッチョ、テショメの両人はここでランチを済ませておいた方が良いと判断したらしく、早速トゥブスを注文していました。私もついでに少しいただきましたが、結局この日はこのままジンマまでノンストップで行ってしまいましたから、彼らの判断は正しかったわけです。ランチを食べられなかった運転には気の毒ですが。

■また故障!?
マトゥを出ると、かつてないほどの悪路となりました。道路の傾斜がきつく、砂利では用をなさないのか、赤土の道路にこぶし大の石を敷き詰めてあります。ガタガタと車内の振動も最高潮。その振動音にまじって、何か嫌~な金属音が聞こえてきました。「またタイヤ!?」と誰もが心配しましたが、車を止めてチェックすると、マフラーの留め金がゆるんでいるだけでした。ちょうど車を止めた場所が、まわりは森なのにそこだけ何かの工場で、門から中をのぞくと、広い敷地にコーヒー豆が敷き詰められています。中に入って事情を話し、針金をもらってマフラーの締め付けをすることにしました。針金を探してもらっている間に、コーヒー豆の加工場を見せてもらいました。ちょっとラッキー。

コーヒー加工場から走り出したら、高校生くらいの女性が3人坂道の下から歩いて来るのが見えました。すれ違いざま、1人が急にTシャツの前をめくりあげこちらにアピールしてきました。胸がもろに見えてしまい、車中の我々も目が点です。一体なんだったんでしょう。乗せてってくれってこと?。さて、さらに30分ほど走ったときのことです。それまで無口だった運転手が、小川とそこにかかる橋を指さし、「ここから1時間ほど歩いたら僕の生まれた村がある」と感慨深げに言いました。私もできれば彼に母親と再会してもらいたかったのですが、さすがにここで2時間以上ロスするわけにはいきません。それは彼も最初からわかっていたようで、それ以上は何も言いませんでした。その場所の風景をしっかりと目に焼き付けるように、少し遅めのスピードで淡々と走っていました。

この後、午後2時にベデレビールで有名なベデレの町を通りました。すでに森林地帯は終わっており、さすがにビールのマークになっているアビシニアコロブスは見かけませんでした。ここからジンマまでは道路もなかなか良く、一気に着いてしまった感じです。時間は午後5時。ホテルにチェックインし、まずは冷たいシャワーを存分に浴びました。それにしても、すごくいろいろなものを見た2日間でした。

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