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2007年9月20日 (木)

出張は冒険だ!? (5)

■焼き畑
昨晩、ジンマで夕食をとりながら、ホサイナに行くルートのことを話し合いました。ウォルキッテまで北上する道はほとんどが砂利道で、来たときも4時間かかりました。ウォルキッテからホサイナに南下する道は、だいぶ昔につくられたものだそうで、道路の状態や走るのに何時間かかるか予想がつきません。逆に、南回りのルートは最近整備された道なので、砂利道ですが比較的快適に走れるだろうとの情報でした。何より、南部州出身のゲタッチョさんが、「オール南部州」ルートにこだわっていました(ジンマ~ウォルキッテはオロミヤ州)。結局、南回りのルートなら途中のソドまで5時間、そこから北上して2時間もあればホサイナに着くだろうと計算し、朝6時半にジンマを出ることにしました。ホサイナではワークショップを見る時間が必要なので、午後2時には到着したいところです。

ジンマの標高は約1700m。そこから、まずは緩やかに2700mまで上っていく道でした。もうどこにも森はなく、それどころか、あちこちで農民が焼き畑を行っており、山は黒く焼けこげていました。山の木や植物が減少すると、土地の保水力低下や表土流出をもたらすことから、政府としては焼き畑を禁止したいとのことですが、農民にとっては先祖伝来の農耕技法であり、また地域の有力部族と州政府の力関係など複雑な要因もあって、なかなか禁止にはふみきれないそうです。荒涼とした風景に私も胸が痛みましたが、アビシニアコロブスが数頭、葉を全て落とした大木の枝の上でのんびりくつろいでいたのがせめてもの救いでした。

峠を越えると、今度は一気に1000mまで下りました。GPSの高度計が面白いように変化していきます。ひとつ川を横断すると、また1700mまで上り、チダという町に着きました。朝食にはほどよい時間でしたが、適当な食堂がなかったので、次の町、タルチャまで先を急ぐことにしました。タルチャまでずっと1200mから1300mくらいの標高で、気温が高く乾燥しており、視界にはほとんど緑がありませんでした。ゲタッチョさんも「この辺りは生活が厳しいんだよ」と深刻な顔をしていました。

■竹
午前10時、タルチャの町に到着しました。村人にどこか良い食堂はないかとたずね回り、ようやくそれらしい場所に車を止めました。しかし、店主に話を聞くと、あまりたいしたものはできないようです。エチオピアというと貧困や飢餓というキーワードが真っ先に浮かびますが、これでなかなかエチオピア人は食事にうるさい人が多く、どうせ食べるならおいしいものを、という主張を繰り返し目の当たりにします。レストランで料理やコーヒーを作り直させるのを、もう何度見たことか。結局、この店ではお茶を飲むだけにして、この先、もっと良い食堂をさがそうということになりました。

タルチャの町は、数年前にWoreda(郡)の中心地になりました。まだ町というにはいささか規模は小さいのですが、郡事務所、学校、病院など必要なものはそろっています。実は、以前この郡の中心地はタルチャから少し離れたワカという町だったのですが、標高が2400mと一気に高くなり、近隣の住民が歩いてアクセスするにはいささか困難なことから、低地のタルチャ(1400m)にバトンタッチしたわけです。しかし、タルチャは低地が故にマラリアがひどく、そのため以前は小さな村にすぎなかったのですが、いざ郡の中心地と決まってからは、どんな建物よりもまず先に病院を建設したそうです。

タルチャを後にすると、なるほど急坂を延々と上り続けます。大気がどんどん冷たくなっていくのがわかります。ほどなく、竹林に囲まれた民家が見えてきました。ワカに到着です。ワカは竹の産地としても有名で、家の建材や塀などに竹を多用しています。これまでアフリカ大陸に竹というイメージがあまりなかったので、エンセーテ(ニセバナナ)の畑の中に竹林がもさもさっと生えているのを見ると、一瞬アジアの国にいるのではないかという錯覚をおぼえました。聞けば、この地域では少数ながらタケノコを食べる人たちもいるそうです。エチオピアのほとんどの地域では、建材としてユーカリの木を使っていますが、竹は軽くて丈夫、その上成長も早いので(その分水がたくさん必要かもしれませんが)、今後はユーカリに取って代わることもあり得るのではないかと思いました。

■オモ川
ワカを出てしばらく走っていると、山肌から水がわき出ていました。周りがコンクリートで固められ、細いパイプが突き出ています。パイプから流れ出る水を目当てに、数頭の牛が集まっていました。我々も喉が渇いていたので、車を止めペットボトルにその水を詰めることにしました。最初に、パイプから水をゴクゴクと飲んでいる牛を追い払おうとしたのですが、牛の方も必死です。なかなかどいてくれず、どいたと思ってもすぐに別の牛が割り込んできて(割り込んだのは我々ですが…)、結局あまり十分な水は詰められませんでした。スタッフは皆「山の水はうまいなぁ~」と言っていました。

ここから標高は一気に下がり始めました。この先にはオモ川があります。手元のGPSの高度計は見る見る下がっていき、オモ川にかかる橋の上では、ついに730mになりました。個人的には、エチオピア国内で最低地記録です。橋のそばには監視小屋があり、橋を含む写真撮影は禁止とのことだったので、橋を越えて少し坂を上がったところで、オモ川の写真を1枚撮りました。今は乾期の終わりの方なので、水はかなり少ないとのことでしたが、それでもこんなに大きな川の流れを見たのは初めてでした。見た目は泥水ですが、それでもやはり水のある風景は良いですね。

オモ川を越えると、しばらくは低地の乾燥地帯を走り続けました。熱風とともに砂塵が舞う光景に、「ここに住むのはつらいなぁ」などと考えていたら、ゲタッチョさんが「これでもあと2ヶ月すればこの辺は緑で覆われるよ」と言ってきました。「早く雨期来い!!」心からそう願わずにはおれませんでした。

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