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2007年9月20日 (木)

出張は冒険だ!? (6)

■ホサイナ到着
車はひたすら走り続け、ようやくソドとホサイナの分かれ道まで来たときには、時間はすでに午後1時近くになっていました。本当ならここに着くのは1時間ほど前の予定でしたが、予想以上に起伏が激しいルートだったので、計算よりも時間がかかってしまったのです。それまでは、分かれ道を右に折れ、ソドに立ち寄っておいしい昼食をと思っていたのですが、少しでも時間を節約するため、左折してホサイナ側に向かうことにしました。しかしここからが大変でした。道路工事のためいきなり迂回路になっていましたが、表面の土が完全にパウダー状になっています。時速20km程度で走っても土煙をもうもうとあげるので、前を走る車とは100m以上あけないと前が見えません。また、対向車とすれ違うときも土煙によって視界が完全に遮断され、その場に一度止まらなければなりませんでした。

こんな感じでずっとゆっくり走らざるを得なかったため思うように走行距離がのびず、30分走ったところでひとまず休憩して昼食をとることにしました。この日は金曜日でツォム(肉、卵、乳製品を食べない日)だったので、最初は肉料理はないと言われました。同行したスタッフ3人のうち、1人はオーソドックス(エチオピア正教)なのでツォムを守る人ですが、あとはプロテスタントとイスラム教徒で、ツォムは関係ありません。もちろん私に気をつかってくれた部分はあったと思いますが、なぜかオーソドックスの人が店主に苦情を言い出し、しばらくもめた後、ついには肉料理の注文をとってくれました。個人的には、そんなにごり押ししないでもらいたいのですが、まぁこれもエチオピア人の食事にかける情熱ということで、ここはありがたく肉を食べさせてもらいました。

そこからの道は、いささかうんざりするほどの悪路でした。道路工事は延々と続き、ひたすら迂回路です。ランドクルーザーの車体がギシギシと悲鳴をあげるほどの悪路があちこちにあり、そのたびに徐行運転を強いられました。結局ホサイナに着いたのは午後4時で、ここからさらにゾーン事務所への挨拶や、一緒にワークショップに行ってくれる担当者を探すなどして、なんとか1軒目を見ることができたのは、もう5時近くになっていました。最終的には4軒のワークショップを見ることができ、所期の目的を果たすことができましたが、そのうちの1軒で見た手作りの溶接マスクと作業環境には、地方の小さな町工場の実態が現れていると思いました(写真)。

■大団円
仕事が終わったのは6時半過ぎで、そこから今晩のホテル探しが始まりました。いつものように、まずは町で一番良いホテルに行ってもらいましたが、値段が140ブル(1800円)もして、かつ外国人居住者割引もないとのことでした。昨日泊まったジンマのホテルはもっと格上なのに値段はずっと安かったこともあって、せめて居住者としていくらか割引するよう交渉しましたが、まったく受け入れてもらえませんでした。実はこの値段でも宿泊費の範囲内なのですが、ここであっさり引き下がってしまうのはなんだかくやしくて、とりあえず次のホテルに連れて行ってもらうことにしました。それから何軒か見ましたが、結局他のスタッフと同じ25ブル(300円)のホテルに泊まることにしました。部屋にはシャワーも付いています。テショメさんが「水が出るか確認した方が良い」と言ってシャワーの蛇口をあけると、ザーザーと水があふれ出ました。

このホテルはレストランとしてもなかなかの評判だったので、案内してくれたホサイナ事務所のスタッフを招待して、みんなで夕食をとりました。とにかくのどが渇いていたので、アンボ(炭酸水)を「カズカッザ (Cold)」と注文しましたが、実際に来たのは少し冷えているかなくらいのアンボでした。それに気が付いたスタッフたちが、「カズカッザと言っただろ」といつになく強い口調で店員に苦情を言うと、店員も負けずに「これはカズカッザだよ」と言い返してきます。私は「まぁこれしかないんだったらこれでいいよ」と言って店員にフタを開けさせましたが、その場は一気に険悪な雰囲気になってしまいました。店員も「スミマセン、これしかないんです」くらい言えば丸く収まるのにと思いますが、途上国では「スミマセンを言ったら負け」という普遍的な法則があるようで、そんな殊勝なことを言う店員は滅多にいません。

さて、道中いろいろありましたが、とにかくやるべきことはすべてやりました。へとへとに疲れていましたが、気分は爽快、最後の晩餐をおいしくいただくことができました。そうして、明日の出発の時間を確認し、8時半に部屋に戻りました。すぐにでもベッドに倒れ込みたいほど疲れていましたが、身体も汗だくです。面倒でしたがなんとか気を取り直し、シャワールームに入りました。しかし蛇口をひねると、さっきあれほど激しくほとばしっていた水が、一滴たりとも出てきません。お湯の蛇口かなと思ってそちらもひねりましたが、やはりうんともすんとも言いません。さては、さっき出たのが最後の水だったのか…。まぁ、ホサイナは水に困っている土地ですから、それも仕方ありません。服を着直し、ホテルの調理場に行って、タオル(自前)に水をたっぷりふくませてもらい、それを部屋に持ちかえりあらためて身体を拭きました。こういうのも、ずいぶん慣れっこになりました。アンボで顔を洗ったときよりはましです。

翌日、早朝ホサイナを出発。まず1時間ほど道路工事による迂回路を走りましたが、その後は立派な舗装道路ができており、それからはあっという間の道のりでした。何日間も車に乗りっぱなしでしたが、久しぶりに揺れない、静かな車の乗り心地に、しみじみ舗装道路のありがたさを感じました。途中、通い慣れたブタジラでブランチをとっていると、現場調査に来ていた職場のスタッフに偶然会いました。エチオピアは広いようで狭いと実感。その先は何度も走っていた道路だったので、ついうたた寝をしてしまい、気がつくと昼過ぎにはアジスアベバに到着していました。

翌日、職場のスタッフに「シャカゾーンに行ってきた」と言うと、みんな一様に驚いていました。「あっちは森があってきれいなんだろ」ともたずねられ、しばらくはみんなに土産話を話す日が続きました。この時の出張では、エチオピアが水不足に悩んでいることをあらためて肌で実感しました。同時に、貨幣経済とは縁遠いものの、極めて豊かな暮らしを営んでいる人々が大勢いることも理解しました。奥が深いです、エチオピア。

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