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2007年9月23日 (日)

7年遅れのミレニアム

世界にはいろいろな暦があります。三大暦法としては、太陰暦(イスラム暦=今年1428年)、太陽太陰暦(ユダヤ暦、日本の旧暦など)、太陽暦(グレゴリオ暦など)があげられますが、さらに各地で、伝統や宗教的価値観によって、独自の暦が存在します。エチオピアもまた、独自の暦を使い続ける国のひとつです。エチオピア暦は、一般的には「ユリウス暦」だと言われています。ユリウス暦は、その名の通りユリウス・カエサルが紀元前45年に制定した暦ですが、歴史的に各地に伝播していく過程で、その土地によって様々な改変が行われていきました。今でも東方正教会が祭礼のため利用していますが、教会によって紀年も異なれば年始も異なるようです。エチオピア暦では、西暦の9月11日が年始にあたります。そして西暦2007年9月11日は、エチオピアではミレニアムにあたる2000年1月1日なのです。

エチオピア暦の1年の日数は365日(閏年は366日)です。そのため、イスラム暦(太陰暦)などとちがって、年数が西暦に近づいていくことはありません。つまり西暦の9月11日は、毎年エチオピア人のお正月ということになります。2001年、アメリカで起きた同時多発テロの日、いつもはワールドトレードセンターで大勢働いているはずのエチオピア人が誰もいなかったことから、当初アメリカの治安当局は、エチオピア人の犯行を疑ったといいます。なんのことはない、エチオピア人は皆仕事を休んで、新年を祝っていたのでした。エチオピア暦が独特なのは、1年が13ヶ月だということです。1月から12月はそれぞれ30日、そして5日間の13月(パグメ)があります(閏年は6日)。月によって30日だったり31日だったり、2月にいたってはなぜか28日などと規則性に欠ける西暦よりも、エチオピア暦の方が断然シンプルではないでしょうか。

エチオピアは今、ミレニアムのブームに沸いています。アジスアベバなど都市部で建築ラッシュが起きていて、国中でセメントが不足しているそうです。欧米に移住した人たちが海外から投資をしているのはここ数年の傾向ですが、エチオピア暦2000年という節目がさらに投資熱をあおり、地価や家賃、ホテル代が大幅に上がっていて、人々はこれをミレニアム価格と呼んでいるそうです。ある種のバブルですね。ミレニアム、つまりキリストの千年王国と言っているわけですから、エチオピア歴も基本的には今の西暦と同じくイエス・キリストの生誕年をもとにしているようです。しかし、その歴史解釈の違いからか、このような年数のずれが生じています。しかも、キリストの誕生日は(西暦の)12月25日ではなく、1月7日だとされているため、エチオピアのクリスマスは毎年1月7日なのです。この微妙なずれが、逆に真実を物語っているような気がしないでもありません。

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