« ボウリング・フォー・コロンバイン | トップページ | ケンパーク »

2008年2月17日 (日)

華氏911

「ボウリング・フォー・コロンバイン」を観た勢いで「華氏911」も観直しました。自分の国の大統領をあそこまでコケにしているのはやはり何度観ても痛快です。こういう映画を作れるのだから、アメリカという国はやはり自由の国なんでしょうね。それにしても、かなり恣意的な編集作業があったであろうことを差し引いても、映画を見る限りこのおとぼけ顔の大統領が超大国アメリカを率いるリーダーとしてふさわしい人物だとは到底思えません。もちろん、大統領のリーダーシップなんて実際にはごくわずかで、要はどれだけ優秀なブレーンを集められるかが勝負なんでしょうけど、類は友を呼ぶというか、いまひとつブッシュの側近はダメダメな感じが漂っています。コリン・パウエルも途中でやめちゃったし。

確かに、根は悪い人には見えないですけどね。喜怒哀楽をすぐ顔に出すしゃべり方もなんだか田舎者っぽくて好感度大。政治家ではなく、陽気なアメリカ人のおじさんとして街の中でバッタリ会ったとしたら、かなり親近感を持つと思います。例えばアル・ゴアなんかの方がよほど腹黒いんじゃないでしょうか。でも、イラク戦争の時のブレア首相との共同記者会見では、残念ながらバカっぽさが際だっていました。アメリカ人はずいぶん恥ずかしい思いをしたでしょう。「こんなのがうちの親分なのか…」とため息をつきながら。ブッシュもその人柄の良さが災いして、周囲の利権がらみの人たちに「お前デキが悪いけど大統領にしてやるからな、そのかわりバッシングは全部受けろよ」とでも言われたのかな?。ブッシュも「そういうの慣れてるからマカセテ!」とか言ってそう (←完全に妄想)。

問題は、世界に対してアメリカという国の影響力があまりに大きすぎることでしょう。そのアメリカと、というよりもアメリカ大統領および側近たちと個人的で緊密なビジネス関係を築いてきたサウジアラビアの王族 (ビンラディン家含む) の実態が、個人的には最も衝撃を受けました。もともとは、有力な政治家のファミリー企業に投資していただけのことだったと思いますが、サウジ王族もまさかブッシュ (息子) が大統領にまでなるとは思っていなかったんじゃないでしょうか。特に湾岸戦争以降、ますますアラブ民衆の反米感情が高まっているし、できればあまり目立ちたくなかったというのが本音でしょう。アラブ人 (パレスチナ人) 側に心情的に肩入れしている自分としても、アメリカとサウジアラビアの癒着というこの実態には正直幻滅しました。「ビジネスはビジネス、パレスチナ問題はそれはそれ」と割り切っていれば良いのでしょうけど…。

今もアメリカ国内は大統領予備選で盛り上がっていますが、こういうふうに選挙に熱狂する姿はケニアとかフィリピンあたりとダブって見えます。ほとんどお祭り気分。「アメリカって先進国のはずだよね?」と思わず目を疑ってしまいます。数年前の話ですが、ハリケーン・カトリーナのニュースは、ちょうどアフリカ15ヶ国の研修生たちと一緒に見ていました。被害の大きい地域に取り残されたのがほとんど黒人だったため、「これはアフリカのどの国だ」とみんなで言い合ったものです。アメリカという国もなかなか複雑な社会構造を持っていますね。なぜ世界一リッチな超大国にあれだけの貧困や犯罪がはびこっているのか。世界各地で武力行使をする前に、国内の社会問題をなんとかした方が良いのではないか。問題は山積みです。こんな国の大統領には、……なりたくないなぁ。

ちなみに、ヒラリーとオバマの戦いがそのまま大統領選の様相を呈していますが、アメリカ初の女性大統領、あるいは初の黒人大統領というのは、やっぱりまだ無理なんじゃないでしょうか。結局最後は保守 (共和党) に票がまわるような気が。

|

« ボウリング・フォー・コロンバイン | トップページ | ケンパーク »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

映画・アニメ・本・音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ボウリング・フォー・コロンバイン | トップページ | ケンパーク »