« ゾンビ・ドッグ | トップページ | 鳩が… »

2008年2月23日 (土)

ホラー映画 -日本-

世の中にホラー映画はたくさんありますが、もちろんその目的は観客に怖いと感じてもらうことです。しかし、洋の東西で怖さにだいぶ違いがあるのではないでしょうか。日本では相変わらず前世とか心霊写真が流行っているので (流行じゃないか…)、映画においても「霊的なもの」が主題になることが多いと思います。ただし、出てくる幽霊たちはそんなにきびきびと動き回ることはありません。ジッと背後にたたずんでいたり、秘かに物の位置を動かしてみたりするだけ。霊が物理的に人間に危害を加えるような描写は少なく、あまりの恐怖にショック死とか、追い詰められて2階から転落とかいうパターンがほとんどです。

基本的に霊は見えないし触れないから、向こうも人間を捕まえることはできないんだという日本国民の暗黙の了解があるのでしょう。中には、体を引っ張られてあちら側の世界に連れて行かれるという描写もありますが、そこまでいくと大抵の日本人はリアリティを感じられなくなってしまうでしょう。「ホラー映画はやり過ぎるとコメディーになる」と「呪怨」の清水監督が語っていましたが、まさにその通りだと思います。そのわりに清水監督はずいぶんそういうことをしていましたけど。

和製ホラー映画で本当に怖いと思ったのは「女優霊」です。映画製作現場というシチュエーション、陰鬱な雰囲気、不可解な出来事の積み重ね、見えないものに対する恐れ、そして女性の幽霊登場。日本の場合、やはり幽霊は女性に限ります。映画の中で監督は幽霊に追い詰められ、舞台の天井から転落して死んでしまうのですが、ラストシーンでは主役の一人である女優の写真がアップになり、その両目に針が突き立てられていたのが本当に怖かったです (若干うろ覚え…)。幽霊の武器がチェーンソーや鉄の爪ではなく、針というところがまた日本的。そう、日本の幽霊は攻撃力が低い分、陰湿なんです。ネチネチと不快な攻撃がいつ果てるともなく続く地獄。しかもなぜそんな目にあうのか理由も明かされない。こ、怖い…。

次に、やはり「呪怨」(映画版)。和製ホラーの雰囲気もきちんと踏まえながら、やたらと幽霊の登場シーンが多いとか、「おどかし」の要素が強いとか、よりアメリカっぽいホラー映画と言えるでしょう。しかしあちら風のお馬鹿ホラーになってしまっているわけではなく、観る者の情緒に訴えかける和製ホラー映画にギリギリ踏みとどまっていました。いつしか伽椰子の「ア、アアア、アアアアアア……」という声と白塗りの俊雄はパロディーになるほど象徴的なアイコンになってしまいましたから、もうこうなるとホラー映画としては観れませんけど。

後は、うーん、あまりピンと来ない。「リング」は呪いのビデオという設定がホラーというよりトンデモ科学ミステリーって感じだったのでちょっと…。横溝正史はもう様式美の世界で、芸術的であると思いこそすれ、怖がる気にはなりません。「キュア」も怖かったですけどあれはサイコミステリーものだし、「本当に怖いのは幽霊よりも人間です」という切り口のものは、今ここで書いている趣旨とは違ってしまうので除外。そう言えば「震える舌」の女の子の叫び声には背筋が凍りましたが、あれはパニックものなのでここでは趣旨違いだし、難病と戦う子供をホラー的に撮っているのはあまりにも残酷すぎて感心できません。子供ながらに観たあの時の恐怖は、確実にトラウマになっていますね。

スプラッタ映画については、リアルな残酷描写が気持ち悪いとか、これでもかというくらい人が派手に死んでいく姿が単なる馬鹿騒ぎに映るだけで、少なくとも怖いとは思いません。スプラッタ映画はとにかく特殊メイクが勝負でしょうから、予算の少ない日本映画界では馬鹿騒ぎと感じるほど激しいスプラッタ映画は作れないと思います。その代わり「ギニーピッグ (2)」のような気持ち悪~いものが作られるんですね。あれは観るんじゃなかったなぁ。

ということで、よくよく考えると自分にとって一番怖いのは「アンビリーバボー」の「真夏の心霊特集」だったりします…。

|

« ゾンビ・ドッグ | トップページ | 鳩が… »

映画・アニメ・本・音楽」カテゴリの記事

コメント

今、NHKでラリベラのことをやってます!テフも紹介されていました。tv

投稿: lulu | 2008年2月23日 (土) 20時16分

おおっ! インジェラ食べたいなぁ。

投稿: shukran | 2008年2月23日 (土) 21時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ゾンビ・ドッグ | トップページ | 鳩が… »