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2008年4月22日 (火)

タイの豚足ご飯

学生時代、JR阿佐ヶ谷駅のすぐ横に、台湾料理屋がありました。中国語科の友達に誘われてお店に行くと、中華料理に漢方薬の匂いを足したような、なんともいえない本場っぽい香りが充満していました。注文は友達にお任せしたのですが、台湾風ラーメンやチマキなど、これまで食べたことがない味で実においしい。日本風の中華料理屋 (ヘンな言い方ですが) とはまったく味の方向性が違っていました。独特の香辛料やザーサイの風味が効いていて、調味料もすべて中国産を使用しているとのこと (店のご主人がちょっとカタコトの日本語で自慢していました)、チャーハンひとつとっても、海の向こうの異国の風味に富んでいました。

そこで生まれて初めて食べたのが、豚足です。軽くしょう油で煮込まれた、プヨプヨしたゼラチン質の皮がおいしいのはもちろんですが、初めて味わうその食感がとても心地よく、また足にかぶりついている自分の姿を客観的に見ると、なんだか滑稽で、すごく楽しくなってしまいました。豚足をかじりながら「クククッ」と笑う自分を見て、店のご主人は「ヘンな客が来ちゃったなぁ」と思ったかもしれません。その後、横浜も含めて何軒か大きな中華料理屋に行って豚足を食べましたが、どの店も味付けしないで蒸しただけの豚足に甘い酢味噌をつけて食べるスタイルでした。正直、こちらはまったく好きになれません。

そしてバンコク。ワット・トライミットで黄金の仏像を見た後、ヤワラー (中華街) をブラブラ歩いていると、小汚い食堂が軒を連ねる通りにぶつかりました。横道をのぞくと生鮮市場があって、中はずいぶん活気にあふれています。表通りにも人力車を手にした人がたくさんいたので、このお店は買い物客から人夫まで、毎日地元の人たちのお腹を満たしているのだろうと想像しました。「よそ者お断り」的な雰囲気がなきにしもあらずで、さすがにタイ語ができないと料理を注文するのは厳しいかなとも思いましたが、あるお店の軒先で、よれよれのランニングシャツに短パン姿のおじさんが食べていたものがあまりにおいしそうだったので、思わずお店に引き寄せられると、おじさんを指さし「あれをくれ」とジェスチャーしました。

店内の床に散乱する野菜くずを踏み分け、ハエだらけのテーブルに座るやいなや、すぐにやって来ました。甘辛く煮込んだ豚足を乗せたご飯「カオカームー」です (料理の名前は後で知りました)。トロトロのグズグズになった豚足は、けっこう肉もたくさんついていて食べ応え十分。甘辛いタレと豚の脂がご飯にネットリとからみつき、コッテリしたおいしさが口いっぱいに広がります。ネットリ&コッテリは大好物。また、鼻から抜ける香りも豚一色。本当においしいんだブーpig。これが豚の角煮になると、半分は肉であってほしいし、箸でつかんで脂だけだったりすると「ゲゲッ」と思ったりしますが、カオカームーの場合、全部脂でも良いなぁ。

ただし、やはりここにもいました。緑の魔物パクチーが。ご飯の上に威風堂々と鎮座する豚足の上に、したり顔で居座っています。そして、あの独特の香気 (臭気) を放っているのです。これはたまらんと、思わず全てのパクチーを (わずか1mmの欠片まで)、丁寧にお皿の端っこに追いやって、ふたたび豚足をパクリ。むーー、おいしい。しかし、このわずか数分の間に、すでにパクチーの香りがご飯や豚足に移っています。どれだけ強力な香り成分なんでしょう。その後もタイに旅行する度カオカームーを食べましたが、特にMBK (マーブンクロンセンター) のフードコートは多用しました。ここでカオカームーとエビワンタンメンを食べるのが、いつも本当に楽しみでした。

サウジアラビアにいると、時々無性に豚足が食べたくなります。決して叶わぬことだとは知りつつも。

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