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2008年4月30日 (水)

サウジアラビアとタイの外交関係

今から18年前、タイで4人のサウジアラビア人外交官が殺害されました。同時期、サウジアラビアのあるロイヤルファミリーから、タイ人の使用人が宝石を盗んでタイに秘かに郵送するという事件もありました。このふたつの事件は裏でつながっているとされながらも、未だに解決を見ていません。タイの法務大臣は今月はじめ、あらためてこの事件の真相を究明するため、最重要人物として14年間刑務所に拘留されている元警察高官のもとを訪ねました。

タイ特別捜査局 (DSI) の副長官であったチャロル氏は、ファイサル王子のもとから盗まれた宝石を闇で処分した疑いを持たれていた宝石商の妻を殺害した罪で、終身刑を言い渡されました。盗まれた宝石の中には、「値段がつけられない (Priceless)」と言われるブルーダイヤモンドも含まれています。外交官を殺害した犯人、そして盗まれた宝石の行方はようとして知れず、そのためこの20年間、サウジアラビアとタイ両国の外交関係はほぼ断絶したままです。

宝石を盗んだ使用人はほどなくタイで警察に逮捕されたのですが、その時押収された宝石がファイサル王子のもとに送り返された時、ブルーダイヤモンドも含め、そのほとんどが模造品に変えられていたと言います。それ以来、サウジアラビア政府はタイ人労働者の入国を禁止し、また自国人のタイ渡航も禁止しました (現在はビジネス渡航なら許可されるとのこと)。その後もタイ政府はサウジアラビアとの関係改善を図るべく、様々なアプローチを試みたのですが、このふたつの事件が解決しない限り、外交関係が元通りに復活することはありえないようです。

昨年夏のニュースですが、政府によるタイへの渡航禁止措置が、最近は旅行代理店や旅行者にほとんど知られていないというケースがリポートされていました。サウジアラビア人には、渡航が禁止されている国がいくつかあります。イスラエル、イラク、ボスニア、そしてタイです。これらの国の大使館や、飛行機の直行便は当然ありませんが、タイであればカタールかドバイを経由すれば容易に渡航できます (ビザも簡単に取得できる)。タイ政府観光局によれば、2006年は9000人のサウジアラビア人旅行者がタイに入国したそうです。

知らずにタイに渡航した旅行者は、帰国した時に空港の入国審査でタイ渡航記録を発見されると、そこでお咎めを受けることになります。まずはなぜタイに渡航したのかを詰問され、状況によって6ヶ月から3年の出国禁止処分と、約15万円の罰金を科されます。しかしある航空代理店によれば、その店の客 (サウジアラビア人旅行者) のうち80%はアジア地域に旅行し、そのうち20%がタイに行ったとのことですから、政府の規制がまったく周知徹底されていない事実が明るみに出てしまいました。そもそもパスポートに渡航禁止国のことは記されていないそうですし。

タイに旅行したサウジアラビア人たちは、皆口を揃えてタイがいかに美しい国であるか、治安が良いか、物価が安いかを語ります。サウジアラビア人にとって、タイがひとつの理想の旅行先であることは間違いありません。外交官殺害とプリンスの宝石盗難事件、このふたつはあまり庶民とは関係ないような気もしますが、やはり今のままでは国としてメンツが立たないということでしょうか。事件の早期決着と、両国の関係修復が進むことを切に望みます。またタイエアーに乗りたいし (サウジ初赴任はタイエアーでした。すごく良かった!)。

ちなみに、中には空港でタイ入国記録について何も問われない人もいますが、パスポートを更新する時に必ず見つかるそうです。

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コメント

この件は、事件にタイ特別捜査局 (DSI) の副長官が直接関わってたり、サウジアラビアの外交官数名が消された事からも分かる通り、単に「サウジアラビアで働いていたタイ人が窃盗した」という単純なものではありません。タイの"やんごとなき"人からの指令でサウジ王室から家宝が盗まれ、タイの"やんごとなき"人にそれが献上されたという事件なのです。

だからタイ側としては絶対に"本当の犯人"は逮捕出来ません。だから安直に、宝石商やら調査に来たサウジ外交官数名を消して偽物返して幕引きを計ったのです、サウジ側にはすぐバレましたが。こういう小手先で誤魔化そうとする傾向はタイ人には非常に強いです。

つまり、これはサウジ王室とタイの"やんごとなき"御家の問題なのです、事実サウジ王室はタイの"やんごとなき"御家と絶交状態です。それが両国の外交問題にまで発展しているのです。確かに庶民には関係ない事ですが、盗まれたとても大事な物は返されず(盗んだ事実さえ認めてないのでもちろん謝罪もない)、小手先で誤魔化そうとされ(関係者を消し偽物を返却した)、おまけに高位の部下数名まで無駄に消されたサウジ側の立場を考えたら、「サウジも大人気ないなぁ」とはかわいそうで言えません。

投稿: 元タイ駐在員 | 2019年9月22日 (日) 12時29分

この件では明らかにタイ側が起こしてるので、庶民や国の外交の事まで考えたら、問題起こしたタイ側が何らかのアクションをすべきかなとは個人的には思います。が、先述の通り"素直に謝まらず罪も認めない&小手先で誤魔化そうとする"タイ人の民族性もあるので、残念ながらこの問題は"被害者側が泣き寝入る"しか解決方法が無い気がしますが、サウジはそこまでヤワじゃないので、この問題はほぼ永遠に続くと思われます...残念ながら。タイって美しい国土や"一般のタイ人"はとても良いんですが、公的とか権力持つと途端にメチャクチャ悪い人になっちゃうんですよね...。

タイ公的は自分の見落としで誤った決定を下し、後にそのミスが発覚しても謝罪も誤った決定の取り消しもしないですからね...。またその言い訳が「例え誤った決定でも公的に一度発行された決定だから今更変更は認められない(=変更認めるとお役人がミスした事を認める事になるから意地でも認めない)」ですからね...絶対に謝らない民族性を見事に表していますね。特に公的はそういう傾向が非常に強いです。この件では私もタイの弁護士や知り合いのタイの公務員(幹部)まで動員しましたが、先述の様に「決定を変える=役人がミスをしたと明らかになる」ので、意地でもミスは認めない(=誤った決定でも絶対に変えないし謝らない)だろうという事で、こちらは大きな損害を被りました、書類を見誤ったタイの公務員のせいで。タイの公務員って、タイ語で書かれた書類を読み間違える(しかも同じタイの役所発行の書類)程度のタイ語力しかないので、タイに行くまたは仕事等で滞在する人は十分に気を付けて下さい。こちら側は気を付けようがありませんが...。

投稿: 元タイ駐在員 | 2019年9月22日 (日) 12時44分

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