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2008年5月26日 (月)

夏休みはどこに行く?

サウジアラビアは太陰暦であるヒジュラ暦を採用しています。1年が354日なので、ヒジュラ暦の1月1日は毎年少しずつ季節がずれていきます。これによって世界中のどの地域でも、第9月であるラマダン (断食月) を等しく夏も冬も体験することになります。暑い夏の断食はかなり辛いもの。なかなかよく考えられています。

ラマダンの1ヶ月間は就業時間も変われば生活パターンも大きく変わります。なにしろ日没後に食事をしたら、夜通し遊んで日の出前にまた食事、夜明けの礼拝をしてから出勤時間まで寝るという、簡単に言えば昼夜逆転の不健康な生活。日中はあらゆる生産効率が著しく低下することになります。子供もそういう生活パターンですから、学校の授業も先生、生徒ともども身が入るわけありません。

今年のラマダンは西暦で9月2日から始まる予定です。例年は学校の夏休みは7月と8月ですが、「ラマダン中はどうせみんな勉強しないし」と考えたのかどうか、今年は学校の夏休みが6月26日から10月10日までになりました (先生は8月下旬から出勤)。長い!。子供は大喜びでしょう。それに比べて、職場のスタッフは「例年以上に家族をどこかに連れて行かなければならない」と言って頭を抱えている人がたくさんいます。

サウジアラビア観光協会によれば、1年間に海外にでかけるサウジ人は延べ450万人 (人口の20%)。夏休みを含めた旅行シーズンにおけるサウジアラビア人の旅行先はエジプト、アラブ首長国連邦、バハレンなど近隣諸国が圧倒的に多く、これらの国で毎年100億円はお金を落としているそうです。同観光協会としては、今年は特に学校の夏休みが長いので、近隣諸国に行かずにできるだけ国内を旅行して (国内にお金を落として) もらいたいと考えており、家族旅行向けのプロモーションも用意しているようです。

ただし、庶民の声はどうかというと、一般的に夏休みの海外旅行は家族サービスとして欠かせないもののようです。ある人はインタビューに答え、「多くの人にとって夏休みの過ごし方は海外旅行しか考えられない、子供にもっと勉強させるためにもね」と言っています。また別の人は、「サウジアラビアには映画館もない、大きなテーマパークもない、ショッピングモールがあるだけ。そこで売っている物も海外にいけば同じかもっと新しい物が見つかる。もし国内を旅行して欲しいと言うなら、若い世代が何を求めているのか観光協会はもっと真剣に考えた方が良い」と手厳しい意見でした。

ちなみに今は国営サウジアラビア航空以外にNASエアー、SAMAエアーという民間航空会社ができて、リヤドからアラブ首長国連邦のアブダビやシャルジャまで片道2,500円で行くことができます。向こうも言葉はアラビア語、女性にとってはサウジより格段に自由、子供の遊ぶところもたくさんある。そりゃ誰もが向こうを選ぶでしょう。観光という点では、サウジアラビアが近隣諸国に勝てる要素は、……何もないか。(´Д`)

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