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2008年5月18日 (日)

心臓病と糖尿病

リヤドのキング・ファハド・メディカル・シティー (KFMC) の発表によれば、急性心疾患で同病院に運ばれた患者1,600人を検査した結果、その半数が糖尿病を患っていたとのことです。この比率は世界的に見ても突出しており、サウジ国内でもこの40年間で最悪の数値だそうです。原因はいろいろと考えられますが、怠惰で不健康な生活、不健康な食習慣、運動不足などがあげられます。

ちなみに、世界の糖尿病の有病数は、20年前は3,000万人ぐらいでしたが、現在は2億4,600万人に増えており、20年後に3億8,000万人に増えるだろうと考えられています。患者数が最も多いのはインドと中国で、それぞれ4,000万人以上。特に急速に糖尿病人口が増えている地域は東地中海諸国と中東で、中でもサウジアラビアとアラブ首長国連邦は、糖尿病の有病率が成人の16~20%に上るそうです。

確かに、太っているサウジ人は多いですね。「痩せている=貧乏」みたいなイメージもあるでしょう。特に奥さんが痩せていると、「旦那=甲斐性無し」という風に見られて世間体も悪いようです。50年前はアラビア半島もまだ原油が出始めたばかりで、人々は厳しい環境の中で昔ながらの質素な生活を送っていました。当時は食事のバランスも悪く、慢性的な栄養不足で平均寿命はかなり短かったはずです。

1974年のオイルショック以降、原油収入は飛躍的に増え、国民にも十分なお金が分配されるようになると、人々は食べたいものを食べ、労働は外国人ワーカーに任せるようになりました。それがまったく悪いことだとは思いません。言ってみればサウジ人はそれまでずっと飢えていたわけですから、ここで贅沢をしなければいつするんだと、そう思えばつい「食べられるうちに食べておきなよ」と同情的な言葉が出てきます。

しかし結果的に、贅沢で脂っこい料理をお腹いっぱい食べる習慣と、できるだけ自分の体は動かさないというライフスタイルは、肥満を激増させ、心臓病、糖尿病を増やしています。そうして、一旦はのびた平均寿命がまた短くなっていくわけです。あとはサウジ人が自ら気付くしかないですね。今では野菜も潤沢に出回っていますし、魚介類も豊富です。食生活を変えることはなんら難しいことではありません。家庭で料理するのもメイドさんだし。

世界的には、毎年380万人が糖尿病で亡くなっています。糖尿病はいまやエイズに並び、21世紀の全世界的な課題とも言われています。また、肥満や糖尿病は先進国の文明病ではありません。20年後に3億8,000万人に増えると考えられている糖尿病の有病者のうち、3億人は途上国の人間が占めるだろうと予測されています。サウジアラビアはそれまでにライフスタイルを変えることはできるのでしょうか。20年なんて、案外あっという間ですよね。

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