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2008年5月 4日 (日)

ザンビアのシマ

アフリカの主食といえば、トウモロコシの粉をお湯で練って作った「ウガリ」が有名ですが、ザンビアでは同じものが「シマ」と呼ばれます。もともとウガリも食べたことはなかったのですが、ザンビアに出張した際、何度かシマを食べるチャンスがありました。普段冷えたインジェラを食べ慣れている身としては、熱々のシマは殊の外おいしく感じました。やはり日本人にとっては、ご飯は温かい方が良いですね。

シマの味、というほど味があるものではありませんが、シマはクセが無く、どんな料理にも合う素直さが魅力です。何より、色が真っ白で見るからに清潔感にあふれています。白いご飯にも通じる、素性の確かさとでも言いましょうか。灰色のインジェラに比べたら、見た目からして圧倒的においしそうです。すべての外国人がシマを好んで食べるかと問われたらそれはわかりませんが、少なくとも不味いと思う要素は一切ないと思いました。米や麦と違って、トウモロコシの栽培はアフリカの気候にも合っていますから、今後もシマはザンビアの主食であり続けることでしょう。

ただし、ザンビア流のシマの食べ方を真似るのには抵抗がありました。シマをちぎり、手でクニクニとこねて団子状にしてから食べるというものです。食前に手を洗うとはいえ、わずかに残った手の雑菌がすべてシマ団子に練り込まれていくことを想像すると、ちょっとゲンナリしてしまいました。エチオピアの食事と違って、基本的に料理は1人1皿なので、自分の手の雑菌はすべて自分で責任を持つというスタイルには好感が持てましたけど。もしかして、こうやって手の雑菌を少しずつお腹に入れ耐性を高めると同時に、毎食ごとに必ず手はきれいになる、という狙いなのかな?。あるいは団子にした方が単純においしいということか。

エチオピアでは、複数で食事をする場合、みんなでひとつのインジェラを囲みます。大皿にインジェラ (直径50~60cm) が敷かれ、さらに人数に応じておしぼり状に丸められたインジェラがポンポンと置かれます。真ん中におかず (シチュー的なもの) が盛られるので、めいめいインジェラをちぎってはおかずをくるみ、口に放り込んでいきます。このやり方だと、他人の手についた雑菌が自分の口にも入る可能性が極めて高くなります。おかずだけでなくインジェラ自体もしっとり湿っていますし。しかも、親愛の情の表現として、自分の手から相手に食べさせる「グルシャ」という習慣もあります。これは断りにくいです。

エチオピア人5人と1週間の地方出張に行った時も、まず1人がお腹をこわしたなと思っていたら、翌日から次々とみんなが下痢になっていきました。さもありなんです。公衆衛生の住民教育をする前に、食事習慣を変えてもらわないと感染症の広がりは防ぎようがありません。インド人やアラブ人と違って、左手 (お尻を洗う手) も普通に使っているし、地方に行ったらそもそも手を洗う水なんてないし。(←あの時の出張を思い出してまた気持ち悪くなってきた…。この時自分が6人中4番目にお腹をこわしたのにも微妙に腹が立つ。エチオピア人よりずっとデリケートだと思っていたのに!)

エチオピア料理とインジェラの組み合わせは、世界最強ではないかと個人的には思いますが、インジェラそのものを無条件に他人にすすめるほどの自信はありません。おいしいインジェラも、そうでないものもありますから (エチオピア人が好む酸味の強いものは外国人にとってはむしろ食べづらい)。でもシマだったらそんな迷いもなく、「現地に行ったらぜひ食べて!」と両手を振っておすすめできます。シマが白米だとしたら、インジェラなんて稗か粟みたいなもんだし。いや、好きなんですけどね、インジェラ。
(過去記事:エチオピア料理)

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コメント

お腹をこわしたのが4番目だったのは、
それだけshukranさんの手がきれいで、雑菌が少なくて、
体内での繁殖が遅れたからではないか?
と思いました。素朴に考えて。

投稿: lulu | 2008年5月 4日 (日) 19時56分

そうですね。そう考えよう!

投稿: shukran | 2008年5月 6日 (火) 01時33分

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