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2008年5月18日 (日)

ガーディアン・システム

サウジアラビア政府が、女性のみのホテル宿泊を許可する決議を発表してから数ヶ月、ビジネスウーマンあるいは女性旅行者は、ほんのわずかながら拡大された自由を大いに活用しています。しかしながら、まだまだホテル側の偏見の目にさらされることも多いようです。

と、ここまで新聞記事を抜き書きしてみましたが、日本人にはなんのことやらさっぱりわからないでしょう。実は、サウジアラビアでは女性のみの旅行は極めて制限されており、ホテル宿泊も、夫、父、あるいは親類の責任ある男性がガーディアン (保護者、監視者) として同行しなければなりませんでした。ホテル予約についても、女性がホテルに電話しても受け付けてさえもらえないという徹底ぶりでした。

映像関連会社に勤務するナダ女史 (29才) は、現地英字紙 Arab News のインタビューに対し、「ビジネスのため自由に国内移動ができるようになったことは大歓迎です。しかし、ホテルでは男性を連れていない女性1人の宿泊客はまだ奇異な目で見られるのが現実です」と答えています。

また、ビューティーサロン経営のハディール女史 (33才) は、ホテルのフロントで「たとえ親類であっても、絶対に男性を部屋に入れないように」と侮蔑的に言われたことを大変な屈辱と感じたそうです。「私は結婚しているし、ルールには従います。なのに、なぜそういう風に疑われなければならないのでしょう」 彼女の不満はおさまりません。

リヤド・ホリデーインホテルによれば、宿泊客の部屋に外部の人間を入れないのはセキュリティー上の問題だそうです。これは男性客も女性客も同じであるとのことですが、実は先月、日本から短期出張してきた知人が泊まっている部屋を何度か訪ねました。一度として止められたことはなかったです。

サウジアラビアには、1,165軒のホテルがあります。そのほとんどは女性自身のIDカードを示せば単独の宿泊が可能となりましたが、一部ではまだガーディアンのレターを要求するホテルもあるようです。

リヤド・シェラトンホテルは今年2月から女性のみの宿泊客を受け入れるようになりましたが、女性がローカルの警察署に登録しない限り、女性による予約は受け付けないようにしているそうです。シェラトンの女性客は、20代後半から30代のビジネスウーマン、結婚式などの準備で泊まる必要がある人、そして外国人女性旅行者だそうです。

リヤド・ムトゥラクホテルでは、女性のみの宿泊には未だにガーディアンの許可レターを要求していますが、これは、誤解や混乱を避けるためのルーティンワークだとしています。

女性のみのホテル宿泊が解禁され、ジェッダ・メリディアンホテルでは宿泊人数が15%上昇したそうですが、これはホテルによって事情が異なります。ジェッダ・レッドシーホテルでは、女性の宿泊客は全体のわずか2%、もちろん期待以下とのことです。ホテル側は、この制度が国民に浸透するまでもう少し時間がかかると考えています。

しかし、本当に女性のみで宿泊できるのか、必要書類は何か (IDだけでよいか、ガーディアンのレターが必要かなど) という問い合わせの電話はひっきりなしにかかっているそうなので、数年後には大きく状況が変わっているかもしれません。

ちなみに、サウジアラビア人女性 (特に結婚している人) が海外に出張や研修に出かける場合、彼女を送り出す組織・会社は、同行するガーディアンの旅費も出すケースが普通です。なんだか信じられないシステムですね。旦那はタダで物見遊山ですか。うらやましい。

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