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2008年6月20日 (金)

フィリピン人に感謝せよ

最近、サウジアラビアの現地紙では 「外国人労働者にもっと感謝して丁寧に接しなさい」 という論調の記事が多いのですが、この社説はフィリピン人に特化した記事を載せていました。

ジェッダで花屋を営むムハンマドは、引き留めの説得もむなしくフィリピン人スタッフが国に帰ってしまったため、店をたたむことを真剣に考えました。しかしその後、意を決してマニラまで出かけ、なんとか優秀な人材を見つけることができたため、店を存続することができました。「彼が去ってしまった時、私は両腕をもがれた気分で、一時は仕事をする気力をなくしたよ」 とインタビューに答えています。ムハンマドは過去に別の国のスタッフを雇ったこともありましたが、一度フィリピン人を雇ってしまうと、他のどの国籍も見劣りがしてしまうそうです。

フィリピンにとっても最大の出稼ぎ国であるサウジアラビアは、100万人以上のフィリピン人が働いています。2006年だけでも22万人のフィリピン人がサウジアラビアに渡ってきました。フィリピン人は世界中で働いていますが、特に船員の世界では全体の20%にあたる120万人がフィリピン人なんだそうです。もしフィリピン人がストライキを決め込んだら、海上輸送から何から、世界は相当な混乱に陥ってしまうでしょう。

フィリピン人の強みは、まず英語ができること、そして低年齢時から職業訓練 (職業意識の醸成) を受けることです。道路建設や看護師などはその代表的なものです。特に看護師は世界全体の23%はフィリピン人であると言われており、フィリピン国内には190の認定看護学校があり、毎年9000人の看護師を輩出しています。これら卒業生の多くはアメリカ、イギリス、サウジアラビア、UAE、クウェート、シンガポールなどの外国に渡っていきます。

35才のキャシーは前任地のシンガポールから5年前にサウジアラビアにやって来た看護師です。彼女は4才の頃から病院に連れられていき、現場の雰囲気を体験することから「教育」が始まりました。11才の頃には祖父母の血圧を測るなど、すでにいろいろなことができるようになっていたそうです。また、「これだけ同国人がいるから世界のどこにいてもホームシックにはならない」 とインタビューに答えています。これもフィリピン人の強みなんでしょうね。

社説では、自国の多くの若者が何も勉強しないまま大学まで進んでしまうことを憂慮したうえで、フィリピンのこういった教育システムこそ、サウジアラビアに欠けているものであると賞賛しています。世界経済を支えているフィリピン人に感謝すると同時に、花屋のムハンマドの身に起きたことを思い起こし、我々 (サウジ人) はフィリピンを見習ってもっとちゃんと子供を教育しなければならない、とまとめられています。

なるほどねぇ、最後はやはり子供の教育の話ですか。でも、大人が3K労働を毛嫌いしてすべて外国人に任せている現状では、子供にだけ「勉強しろ」「働け」なんて言ってもまるで説得力がありません。学校で生徒に教室の掃除などさせようものなら、親が血相変えて怒鳴り込んでくるお国柄ですから。まだまだ道のりは長そうですね。

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