サウジアラビア人で働いているのはたった2割!?
サウジアラビアでは、未だ信頼に足る国勢調査が行われていないようです。内外にいろいろな情報は出ているのですが、ソースによって値がまちまち、いまひとつどれを信用していいのかわかりません。だいたい途上国であればあるほど統計が定まっておらず、むしろ政府発表が一番信用できないなどという声も聞いたりしますが、サウジアラビアについてはそこまでいい加減ではないと信じたいところです。ただ、今のところ国民から税金を徴収する予定もないし、それほどシビアにやる必要がないのかなと想像しています。それにしても、有名どころでアメリカ国務省の CIA World Factbook あたりと比べると、数字に相当な開きがあります。以下、SA=サウジアラビア政府、US=CIA、JP=日本外務省です。
2007年総人口 (推計)
SA: 23,980,000人 (うち外国人 6,490,000人)
US: 27,601,038人 (うち外国人 5,576,076人)
JP: 24,000,000人 (うち外国人 6,140,000人)
とりあえずここではサウジ政府の統計表を信じるとして、その中で特に就業人口が目をひきました。統計によれば、就業人口の比率 (サウジ人/外国人/サウジ人のみの総人口) は以下の通りです。
2000年: 2,727,500人/3,273,600人/14,830,000人
2007年: 3,584,700人/4,181,600人/17,490,000人
つまり、仕事に就いてるサウジ人は2000年で18.4%、2007年で20.5%。国民のうち働いているのはたった2割です。日本の労働力人口は6,704万人で全人口の52%、うち就業者は6,429万人なので、日本人はちょうど5割の国民が働いていることになります (男女比=58:42)。もちろん、サウジアラビアも外国人労働者を含めれば就業人口としてはそれなりにつじつまが合うし、女性の就業人口がほぼゼロということを考えると、サウジ人男性の失業率がそれほど極端に高いわけではないと思います (おそらく10%以下でしょう)。
お金の力で他人をこき使い、自ら働く必要がないのだとしたら、それはある意味ユートピアなのかもしれません。しかし、それが果たして国家として健全な姿なのか、あるいは人として正しい姿であるかと問われれば、うーん、どうなんでしょう。勤勉は美徳であるとたたき込まれた日本人には、ちょっと理解しがたい世界ですね。
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