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2008年6月15日 (日)

愛があれば年の差なんて、とはいきません

カイロからの報道によれば、エジプト法務大臣は先頃、92才のアラブ人男性 (湾岸諸国人/国籍非公開) と17才のエジプト人少女の婚姻届を受理しなかったことを発表しました。エジプト国内法では、自国民女性が外国人男性と結婚する際、二人の年齢差は25才以内と定められているからです。外国人男性側は婚姻届に身分証明や就労証明を、エジプト人女性については出生証明を合わせて提出しなければなりません。これは、男性が女性を経済的に養っていけるかを審査するためと、二人の年齢差を確認するためだそうです。

この法律は、空前の原油高に沸くアラビア湾岸産油国の男性が、エジプトの田舎から貧しい少女を娶る、つまり結婚して合法的に買っていくことを憂慮して定められたものと言われています。

湾岸諸国の年輩の男性がエジプトやシリア、レバノンなどの田舎に出かけ、貧困に苦しむ家族から少女を娶ることは、「セクシャルツーリズム」と揶揄されています。レバノン大学の教授によれば、これは「富裕対貧困 (リッチvs.プア)」の闘いであるが、同時にアラブの民間信仰として、「老いた男性は若い少女を側に置くと若返る」という考え方が背景にあるとしています。10年前はシリアでこういう婚姻が盛んに行われていましたが、このところの好景気で国民が豊かになり、現在は減少しているそうです。

一方、エジプトはあいかわらず貧困にあえいでおり、貧しい農村地域では500USドルから1500USドルで、少女たちが湾岸産油国に嫁いでいく (買われていく) のだそうです。ただ、こうして合法的に夫婦になり夫の国に行ったとしても、妻としての待遇は望むべくもなく、使用人として扱われたり、既婚の夫の妻 (妻たち) から嫌がらせを受けるのが実情のようです。こうした婚姻は数ヶ月で離婚するケースが多く、その際は1万USドル程度の慰謝料が支払われるそうです。これはエジプト人の10年分あるいはそれ以上の収入に相当する額です。

言ってみればこれはビジネスであり、男性側にしてみれば「貧困から救ってあげた慈善事業」くらいの意識しかないかもしれません。冒頭の92才と17才のカップルも、おそらくビジネスとしての結婚でしょうから、二人が合意しているのなら結婚させてあげれば良いのにと思います。家族にはすぐに現金が、女性もしばらく我慢すればけっこうな額のお金が入るでしょうし。エジプト政府にとっても悪い話ではないと思うのですが (税金が取れるでしょうから)、それはエジプト人のプライドが許さないということなんでしょうか。こういうところは真面目だよなぁ、エジプト。貧乏だけどプライドは高い。

………なんて感心していたら、このニュースはBBCなど多くの外国メディアでも報道されていて、実はこの法律にも抜け道があることがわかりました。エジプトナショナルバンクに女性 (妻) 名義で口座を開き、相当額を預金すれば婚姻が認められるケースがあるのだそうです。また、その際は二人の結婚が純粋なものであり、人身売買ではないことを法務省に対し宣誓しなければなりません。エジプト現地紙 Al-Akhbar によれば、昨年は173組の特例が認められ、それぞれ口座を開設して8万USドルを預金したそうです。

うーん、単に値段をつり上げただけかも。で、最終的に銀行預金はほとんど税金として没収とか?

413kekkon

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