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2008年8月18日 (月)

アラビアン・サイドライト:呆れた人々

サウジアラビア現地紙 Arab News の囲み記事「Side Light」より。

①博士? 証拠は?
サウジアラビアでは、学位はとても重要な意味を持ちます。名前に Dr.(博士) や Eng.(エンジニア) をつけて名乗れる人は、実際に様々な特権を享受することが期待できます。サウジアラビア教育省は先頃、省内でひとつの警告文を回覧しました。それは、自らの学位について詐称をしないこと、また、政府認可校以外で取得した学位については認めないというものでした。なぜ今さらこんな当たり前のことを言っているかというと、実際に省内で局長4人、課長6人、教育アドバイザー50人が Dr.と詐称していたことが発覚したからです。学位詐称は、真に努力して学位を取得した多くの人々に対する侮辱であり、教育省では今後も断固として取り締まっていく方針だそうです。サウジアラビア人が Dr.を名乗ったら、卒業証書を確認した方がいいかもしれません。(←自分がこう思ったんじゃなくて新聞に書いてあったことを訳しただけですよ)

②親切が怒りに変わる時
自らの気前の良さを示すため、惜しみない歓待で客人をもてなすことで知られるサウジアラビア人。ホスピタリティーはもっとも賞賛されるべき美徳であり、主人は客人をもてなすことに大変な名誉を感じます。逆に、彼らの招待を無碍に断ることはひどい侮辱であり、特に今なお伝統を重んじるベドウィン社会では致命的な行為です。ある日、主人が客5人を銃で脅すという事件が起こりました。客が主人の夕食を断ったからです。実はこの客、ひとりが主人の娘に結婚を申し込みに来たのですが、すでに彼女は他の男性と結婚の約束を交わしていました。すっかり失望し、食事をせずに席を立ち帰ろうとした客の態度が、今度は主人の逆鱗に触れました。主人はライフルを持ち出し、客に銃口を突きつけ無理矢理席に戻すと、おびえる彼らに食事を強要しました。最終的に、誰ひとり血を流すこともなく、つつがなく夕食は終わったそうです。

③あさはかな男
紅海の南の町ジザンで、ある男が懲役5ヶ月とムチ打ち150回の刑を言い渡されました。罪状は情報撹乱罪。実はこの男、テロリストに関するウソの情報を当局に持ち込み、報奨金をもらおうとたくらんだのでした。サウジアラビア政府は、テロリスト1名の逮捕につながった情報には100万リヤル (2800万円)、複数の逮捕につながったら500万リヤル (1億4000万円)、テロの実行阻止につながった場合には700万リヤル (1億9600万円) の報奨金を掲げています。この男は友人ふたりの名前を出し、どこそこで怪しい男たちを友人たちと一緒に見た、という風に当局に伝えたのですが、当局の人間が友人に事実確認をすると、あっさりとウソであることがばれてしまいました。

④ラクダ補償金
サウジアラビア国内で、2007年秋に5000頭ものラクダが突然ばたばたと死んでしまったのは、当局の調査の結果、汚染された餌が原因だったと結論づけられました。その後ほどなく、アブドゥッラー国王は畜産家に対し補償金として1頭あたり2万リヤル (56万円) を支給することを決めました。あるベドウィンが、2頭のラクダに対する補償金として4万リヤルを請求したところ、銀行の手違いで40万リヤルが彼の口座に振り込まれてしまいました。その日の終わりに銀行側が手違いに気付いた時には、ベドウィンの男はすでに全額下ろした後でした。銀行側は彼に返金を求めましたが、彼は他にもヒツジがたくさん死んでいるからお金は返せないとつっぱねました。最後は 「証拠を見せろ」 と開き直る男に対し、銀行側は40万リヤル引き出しの紙に残された男のサインを警察に持ち込み、男はあえなく逮捕されてしまいました。

⑤怒りすぎ
ある男がマッカの銀行でATMからお金を引き出そうとしたところ、どうしたことかカードが飲み込まれたまま出てきませんでした。男は窓口に申し出ることもなく無言で玄関を出ると、駐車場から車を動かし、玄関の前に横付けして誰も銀行に出入りできないようにしました。そして玄関扉に 「この銀行とは取引するな」 と大書きすると、「カードが戻ってくるまで車も自分もここから一歩も動かない」 と宣言し、その場に座り込んでしまったのです。しかしそこにたまたま通りかかったのが、レッカー車に乗った交通警察官。あっという間に車はレッカー移動され、男もそのまま警察に連行されていったそうです。彼のカードはその後どうなってしまったんでしょう。

⑥一番簡単な牢屋の脱出法
マディーナで糖尿病の男が信号無視で捕まり、24時間の留置場拘留を言い渡されました。留置場に入ってみると、他にも大勢の交通違反者でごった返しています。「こんなところに丸1日いるなんて無理」 瞬時にそう判断した彼は、友人に電話して糖分たっぷりのフルーツジュースを差し入れてもらうと、一気にそれを飲み干しました。そして仮病を装いその場に大げさに倒れ込むと、係官があわてて駆けつけ、すぐに彼を病院に運んでいきました。病院の検査では案の定かなり危険なレベルの糖尿病と診断されました。警察官はこれ以上の留置をあきらめ、罰金300リヤルを払わせ、その場で彼を釈放したそうです。糖尿病の男にしてみたら得意満面だったかもしれませんが、ちょっと危険すぎるような…。

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