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2008年9月12日 (金)

ブタの丸焼き

古の昔から、言霊 (言魂) といって言葉には霊的な力が宿ると信じられていますが、やはり言葉の響きというものは侮りがたいエネルギーを持っていると感じます。日々何千、一生に何億と聞く様々な言葉。その中でも、おそらくトップ級の破壊力、そして抗しがたい魅力を持つのが 「ブタの丸焼き」 ではないでしょうか。トリの丸焼き?、いやいや、ヒツジの丸焼き?、全然。やはりブタの丸焼きのインパクトにくらべたら月とスッポンです。(スッポンもヘンな言葉だ)

とまぁ、子どもの頃からブタの丸焼きという言葉を聞くにつけ、心が荒ぶるというか、いてもたってもいられないというか、嵐を予感させるようなそんな猛々しい心持ちになったわけですが、先月、フィリピンのセブ島で、ようやく念願の対面を果たしました。その名も 「レチョン (Lechon)」。いや…、レチョンじゃなくて…、やはりここは断固ブタの丸焼きと言いたい!。言いたいのですが…。

その日、ホテルのレセプションに1枚の告知がありました。「今夜はフィリピンビュッフェ! みんな来てね!」。そんな軽いタッチの書きぶりでしたが (実際は英語ですけど)、メニュー一覧にその名を見つけるや否や、一気に闘志に火がつきました。そいつを自らの歯で食いちぎり、ムシャムシャと咀嚼しながらその烈火の如きエネルギーを我が身に取り込みたい。魂の雄叫びを天空に轟かせたい!。右の拳に力を込めつつ、静かに、そして熱くそう思ったわけです。

そんな鼻息の荒い状態のまま、夕方6時にビーチサイドのオープンテラスに出向くと、いましたよ、きゃつが!。しかし、………あれ?、何この表情?。なんだかとてもフレンドリー。断末魔のうちに腹を割かれ、太い鉄の棒で串刺しにされたうえ丸一日全身を業火でジリジリと焼かれ、あげくその身をバラバラに刻まれたというのに、怨・恨・呪、そんな苦悶の表情は一切なく、むしろ 「ね、ね、食べて食べて!」 と誘っているかのようなレチョン君でした。

肝心のお味の方ですが、まずパリパリの食感がこたえられません。香ばしく飴色にパリッと焼き上がった皮。なのに真っ白な肉はジューシーそのもの。塩味も絶妙、噛むほどに肉汁がジュワーッと広がります。鼻に抜ける香りも上品そのもの。日本の豚肉もおいしいと思いますが、フィリピンのも本当においしかったです。見た目のワイルドさとはうらはらに、むしろ繊細な料理じゃないかなと思いました。(食べるお店でだいぶ差がありそうです)

「ブタの丸焼き食ったどー!」 という雄叫びはあげそこないましたが、レチョンは本当に 「おいしゅうございました」。


437lechon

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