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2008年9月 9日 (火)

真実はどこに

今朝のサウジアラビア現地英字紙 Arab News に、最近の世相を反映してか、政府の発表に疑問をなげかけるような記事がありました。以下、抜粋です。

昨年からの物価上昇に加え、ラマダンでさらに生活物資の値段が上がっているが、政府の発表は 「すでに価格はコントロールされている」。実際に町に出て買い物をしてみると、それが正しくないことはすぐに理解できる。

教育省では、「すでに教員は十分足りているから、大学を卒業して無職でいる若者を教員に採用する必要はない」 と強調しているが、各地の学校で教室が生徒であふれかえっている現状は、その認識が正しくないことを物語っている。

高等教育省は、「今年6月に高校を卒業した学生のほとんどは、男女ともにサウジアラビア国内の大学に入学が決まっている」 と発表しているが、実際にはエジプト、シリア、ヨルダン、バハレン、イエメンなど近隣諸国の大学に留学を考えている若者が相当数いる。

記事はこんな皮肉っぽい調子で、大本営発表がいかに信じられないかという庶民の気持ちを代弁したような内容になっていました。ただ、「政府 vs マスメディア」 という構図のもとに、「政府=ウソ」「メディア=真実」 と考えるのは早計で、この新聞記事を鵜呑みにしてしまうのも、それはそれで危険かもしれません。

8月下旬、Arab Newsに 「ラマダンを前に300万人のサウジ人が海外旅行から戻ってきた」 という記事が載りました (今年は学校が10月10日まで夏休み)。インタビューに答えた人は、断食するにはサウジ国内が一番やりやすい、海外に長期滞在するのはお金がかかりすぎるなど、いろいろな理由をあげていました。自分もこの記事を読んで、「まぁそうだろうなぁ」 と思ったものです。

ところが先日の Saudi Gazett には一転、「ラマダンを避けて海外に出るサウジ人」 という記事が載りました。「他の国のラマダンを見てみたい」 なんて意見もありましたが、旅行先はアラブ諸国ばかりではなくヨーロッパも多いので、端的に言えば 「ラマダンなんてやってられるか」 というのが本音なのかもしれません。旅行中は断食しなくてもいいとコーランには書かれていますから (本当は後日その分断食しなければなりませんが)。

どちらが本当なんでしょうか。まぁ、どちらもある一面を切り取ったという意味では本当だと思います。要は、新聞記者は最初から書きたい文章が決まっていて、その裏付けのインタビューをしているだけなんでしょうね。自分はたまたま両方の記事を読んでいましたが、片方の記事だけ読んだ外国人は、サウジ人に対する印象がだいぶ異なると思います。

子どもの頃は、新聞やテレビのニュースはすべて真実、あるいは世の中の大半が考えている意見だとばかり思っていました。でも、あらゆる情報は発信する人間のフィルターがかかっているのだということに気付いてからは、良いニュースも悪いニュースも、一歩引いて冷静に見るようになりました。それが大人になるってことなんでしょうか。無邪気だったあの頃が懐かしいような気もしますが。

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