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2008年12月23日 (火)

女性は男性二人分

サウジアラビア労働省はこのほど、女性の雇用機会をより多く創出するための、特別な措置を発表しました。国内の民間企業に対する通達で、サウジ女性を雇用した場合、サウジ男性二人分に相当するというものです。

サウジアラビアは、公務員をのぞく国内の主要な労働力を、かなりの部分外国人労働者に依存しています (現在の人口比:サウジ1700万人/外国人650万人)。この状況は、大量に安い労働力 (即戦力) が必要だったオイルショックの頃 (1970年代) に始まり、今に至っています。外国人労働力はサウジアラビアという国の基盤を支える、なくてはならない存在なのですが、逆に自国人の労働意欲の低下と高い失業率を生みだしていることも事実です。

政府は、これら外国人労働力を自国人に置き換えるため、サウダイゼーション (サウジ人化) 政策を20年以上前から進めています (技術教育および職業訓練の拡充など)。にもかかわらず、教育など一部の分野をのぞけば置き換えは遅々として進んでいません。それもそのはず、民間企業にしてみたら、ずっと安い給料でもっと優秀な外国人が雇えるのにわざわざサウジ人を雇うメリットはないからです。
(→サウジの職種別労働人口.PDF)

そこで、サウダイゼーションのてこ入れとして、「社員の○○%はサウジ人でなければならない」 という規制が導入されました (職種によって割合は異なる)。外国人にくらべて給料が高く、そのわりに技術力も労働意欲も低いサウジ人を何人も雇わなくてはなりませんから、利潤と効率を追求する民間企業にとっては頭の痛い問題です。中には会社に来ても迷惑なだけというサウジ人もいるらしく、給料だけもらって出勤が強要されない幽霊社員がかなりいると聞きました。

ここであらためて今回の労働省の発表意図を考えてみます。 ①どうせ幽霊社員なら企業も負担が半分ですむ女性を積極的に雇うだろう (女性1人が男性2人にカウントできる)。 ②企業の負担を減らせばサウダイゼーションが一気に進むかもしれない (数字上は半分の人数で同じ割合が叩き出せる)。 ③世界最低レベルであるサウジ女性の社会進出率が向上して国際的イメージが良くなる。 ④女性の方が労働意欲が高いので経済の活性化が期待できる。 ⑤これにあせった男性が真面目に働くようになるかもしれない。

などなど、すべて勝手な想像ですが、なんだか良いことずくめのような気がします。この措置を考えた人は相当な策士なのかも。

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