« 寒ッ! | トップページ | サウジアラビア「牛乳の日」 »

2009年1月 6日 (火)

傲慢なサウジ人

ゴザイビ労働大臣の、「サウジ人は傲慢で人種差別を行っている」 という発言が物議をかもしています。これは12月28日に各州の労働局長を前に行ったスピーチで飛び出したものです。

「これまで我々は外国人医師に治療を求め、外国人教師に知識を求め、あるいは外国人会計士にビジネスを回すよう求め、それ相応にもてなしてきた。しかし、外国人をあてにせず自分自身で開発のための青写真を描くことを始めた途端、我々の中に傲慢さと人種差別的な感情が染みこんできたことは大変に残念だ」 大臣はこのような文脈で発言したそうです。

現地英字紙 Arab News が行った調査によれば、外国人 (アラブ人、アジア人、ヨーロッパ人) の10人中8人、そしてサウジ人の10人中9人は、ゴザイビ大臣の発言をその通りであると認めています。ただしほとんどの人は、一時期にくらべて最近はサウジ人の外国人に対する態度は変化していると考えているようです。昔から専門職の外国人はそれなりの待遇を受けていましたが、最近は一般のワーカーであっても良心的に接するサウジ人が増えているのだとか。

またこの調査により、サウジ人は外国人医師、特に欧米人医師を、自国人の医師よりも信頼していることがわかりました。しかしある医師は、「サウジ社会の人種差別は事実として認めなければいけないと思う。一般論としては語れないけれど、確かにある」 とインタビューに答えました。著名なサウジ人ジャーナリストのバドル氏は、今回の大臣の発言は多少乱暴だが、この先公の場で協議されるべき課題だと思うというコメントを寄せています。

サウジアラビアに30年以上住んでいる、イエメン生まれのケニア人ハミド氏は、「すべてがそうだとは言わないけれど、これまで経験してきたことは自分だけにおこった特別なことだとは思わない。給水トラックを頼んだりイカーマ (滞在許可証) を更新したりする時、外国人はみんな感じていると思う。これはサウジアラビア人が信奉するイスラムの教えに反しているのではないだろうか」 と疑問を呈しています。

43才になるサリム氏は、14年前にサウジ人女性と結婚しました。彼によると、夫人が一人で飛行機に乗る場合、他のサウジ人女性旅行者と同じように夫の旅行許可レターを持っているだけでは必ずトラブルになるため、いつも空港に出向き担当官に顔を見せているそうです。これも夫が外国人であるが故の差別と言えるでしょう。

外国人労働者のうち西洋人ではないワーカー (アジア、アフリカ) については、ほぼ全ての人が差別を受けていると感じているようです。また、国籍によって待遇が異なることは、インタビューを受けた全員がその通りであると答えました。

39才になるインド系のイムラン氏は、「10年前にサウジアラビアの通信会社で働いていた時、やっている仕事の内容は完全に同じなのに、ドイツ人の同僚は給料が2倍だった。その後、ヨーロッパの国籍をとってまたサウジに戻ってきたら、当時とは比べものにならないくらいの好待遇を受けている。他の優秀なインド人は今も同じ問題を抱えている。給料は仕事の内容が反映されるべきであって、国籍で決まるのはおかしい」 と憤慨して答えました。

昨年11月、サウジアラビアの広告代理店が、「ラフマ (慈悲、情け)」 という広告キャンペーンを行いました。外国人労働者の人権をもっと尊重すべきという主旨です。広告に映し出された、犬のように扱われる外国人ワーカーの姿は、イメージ映像ながらサウジ国民に大きなショックを与えました。この広告キャンペーンは論争を巻き起こし、これに同意する者もいましたが、大げさな誇張であると否定する人もたくさんいました。

2008年は他にも、サウジアラビアにおける外国人労働者に対する虐待の実態報告書がアメリカの人権団体によって発表されました (→関連過去記事)。報告書では、多くの労働者がサウジでの仕事に満足している中で、一部に見過ごせない虐待が存在していることが告発されています。

498campaign

|

« 寒ッ! | トップページ | サウジアラビア「牛乳の日」 »

旅行・地域 サウジアラビア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 寒ッ! | トップページ | サウジアラビア「牛乳の日」 »