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2009年3月22日 (日)

留学は甘くない

サウジアラビア国費留学生の現地生活がかなり苦しいという記事を読みました。ある女性が新聞社に窮状を訴える手紙を出し、その内容が丸々掲載されたものです。この女性は夫が国費留学生に決まったため、自身も私費で修士コースに入ろうと、仕事を休職してスコットランドに同行しました。

夫婦は別居すべきではないというイスラム的な観点から、サウジ政府は家族の随伴を認めており、その分の費用も支給されます。逆に女性が国費留学生に決まった時は夫あるいは父親か兄弟、つまり男性保護者の同行はほぼ絶対条件になるため、現地で何もやることがない男はほとんどが私費で学校に通うそうです。そのうち男の方は帰ってしまうパターンも多いそうですが。

彼女は夫とともに、生後6ヶ月の子どもを両親にあずけてスコットランドに来ました。彼女はまず語学コースに入りましたが、2ヶ月して、両親が子どもを連れてスコットランドにやって来ました。両親はそれから5ヶ月滞在し、その間は子育ての心配をする必要もなく、学校に通い続けました。

語学コースを良い成績で修了したので大学に進めることになったのですが、そこで両親が帰国しなければならなくなり、我が子の面倒を見るため一旦大学に進むことはあきらめざるを得ませんでした。

子どもの養育費としてサウジ政府 (高等教育省) から支給されるのは171ポンドだけなので、ベビーシッターを雇うにはまったく足りません。また、スコットランドの気候はとても寒く厳しいので、ヒーターの電気代もかなりかかります。電気代節約ため、満足にお風呂にも入れない状況なのだそうです。

さらに、サウジと違って家を借りる時も最低6ヶ月借りなければならず、これも負担と感じているようです。以下、彼女たちの1ヶ月の生活費です。

家賃:700ポンド
ベビーシッター:800ポンド
電気代:150ポンド
食費:250ポンド
ミルク代:160ポンド
電話・インターネット:30ポンド
携帯:30ポンド
バス代:82ポンド
テレビ視聴料:11.25ポンド
合計:2,213.25ポンド (31万円)

サウジ政府からの支給額は毎月1,955ポンドなので、毎月4万円弱の赤字です。彼女はベールをかぶっているので、アルバイトしようにもどこも雇ってくれません。仕方なく両親から仕送りしてもらっているそうですが、そういったサポーターを持たない留学生はどうしているのかと、彼女は疑問を投げかけています。

彼女は政府に対して、生活費の支給額が少ないと怒っています。留学生にちゃんと勉強してほしいなら、それなりの手当が必要だと手紙の最後を結んでいます。記事の中には記者のコメントは書いてありませんでしたし、実際の国費留学生である夫の方がどう考えているのかもわかりません。文句を言っているのはおまけでついていった女性の方です。

職場でも、この1年半で何人も国費留学生として旅立っていきました。みんな30代、奥さんも子どももいます。問題、というわけではありませんが、留学生の平均年齢がかなり高いのがサウジの特徴だと思います。キャリアアップ志向があるのは悪いことではありませんが、なんだか現実逃避のように思えてしまうのは自分だけでしょうか。

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