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2009年3月23日 (月)

結婚してはいけない間柄

イスラム法では、乳母との結婚 (男性)、乳母の夫との結婚 (女性)、実子との結婚を禁止しています。また、同じ乳母で育った者は乳兄弟であり、そんな兄妹、姉弟は生物学上の血縁関係がなくても結婚は禁止されています (マフラムと言う)。

中東ではいとこ同士など近しい関係で結婚することが多いのですが、乳母が誰であったかを公式に記録する習慣がないため、結婚間近になってあらためて事実が発覚し、結婚を取りやめざるをえなくなったカップルもたくさんいます。

もちろん、結婚前にこのことがわかればまだいいのですが、結婚して何年もたった後、特に子どもができた後にわかると、これは悲劇としか言いようがありません。マディーナのある女性教員は結婚して7年目に、夫の母親 (彼女の叔母) に一時期乳をもらっていたことがわかったため、離婚せざるをえませんでした。

ウム・アブドルは、すでに結婚して30年、9人の子の母親でした。ある日、年輩の男性が夫のもとを訪ね、二人が同じ乳を飲んで育ったことを告げました。このことは他にも知る人がおり、確かな事実であるとのことでした。ウム・アブドルは夫とともに悩み抜いた末、これを子どもたちに隠し、結婚を続けることを決めました。

ウム・フセインは年輩の女性です。彼女はこの30年間に何人もの子に乳を与えてきており、誰が誰だったか今となっては正確には思い出せないそうです。なにしろ自分の子どもが9人、他にも15人の面倒を見てきました。親戚だけでなく、近所の子どももいたのでしょう。

エジプト人のシハームは長年サウジアラビアの病院で働いていますが、サウジ人の友人の子どもたちにも乳を与えてきました。イスラム法でいえば、まったく血縁関係のないサウジ人とエジプト人が、同じ乳母を持つ兄妹、姉弟として結婚ができないわけです。

他にも結婚した後に事実が発覚し、離婚を余儀なくされた上、さらに周囲からの冷たい視線に耐える日々を送っている人も数多くいるそうです (どこか淫靡なニュアンスなんでしょうか?)。生物学的にはいとこ婚よりずっと健全な結婚だと思いますが、これも神様が決めたことですから仕方ありませんね。

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