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2010年6月13日 (日)

旅をする言葉

はじめて「ファラン」という言葉を知ったのは、「バンコク楽宮ホテル」という小説を読んだ20才の頃。それはタイ語で外国人 (白人) を意味する言葉で、どちらかといえば「外人 (ガイジン)」のニュアンスに近いと思います。

語源には諸説ありますが、11~12世紀にアラブ人が十字軍をさして「フィリンジア」と称したのが始まりとも言われています。当時の十字軍はそのほとんどが「Franks (フランク族、ゲルマン族)」だったからです。

時代は下り、アラブ商人がラクダを連ねてシルクロードを東西に行き交うようになると、外国人をあらわす単語としてこれが各地に根づいていったようです。では、いったいどこまで「旅」をしたのでしょうか。

エチオピア:farenji
ギリシャ:frangos、firanja
トルコ:frenk、ifrangi
アラビア:faranji、ifranji
イラン:farangi
インド:firenghi
タミール:parangiar
タイ・・:farang
カンボジア:barang
ベトナム:pharang
マレーシア:palang (関連性無し?)
インドネシア:barang (関連性無し?)
サモア・・:paalagi、papalangi
トンガ・・:palangi

なんと!、ここトンガまでやってきていたのです。トンガ語で「パランギ」はもちろん外国人の意味。「パランギ」と聞くたび、実は人知れず感動している今日この頃です。

【注】現代アラビア語で外国人の直訳は「アジュナビー」です。マレーシアとインドネシアでは、その昔、ポルトガル人をさしてファランギと言っていましたが、上記の2単語は外国人を直接あらわすものではありません。そもそもの語源はアラビア語ではなくペルシャ語という説もあります。また、「fi (薄い)+rang (色)=白人」というヒンディー語源説もあります。タイ語のファランの語源は「フランス人→ファランセ→ファラン」という説もあります。諸説紛々ですが、時空を超えた壮大なる偶然の一致では、決してないのではないでしょうか。

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