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2010年11月29日 (月)

「死」をめぐる考察 (←浅いです)

おそらく人類が知恵を獲得した最初期に発生したであろう「死」という単語。遡ることができるのは文献が残る四大文明発祥期までですが、古代メソポタミアのシュメール語では「mitu」、古代エジプト語 (ヒエログリフ) では「mwt」と呼ばれたようです。

驚くべきことに、この単語はその後長い年月をかけて世界中の言語に派生しています。

■アラブ・アフリカ
アラビア語: mawtu
アムハラ語: mot
スワヒリ語: mauti

■ヨーロッパ
マルタ語 : mewt
ラテン語 : mors (mortis)
イタリア語: morte
スペイン語: muerte
フランス語: mort

なお、欧米ではもうひとつの流れ「t-d/d-t」があります。
英語   : death
ドイツ語 : tod
オランダ語: dood

でも英語には「mortal」(死の、致命的な) という単語もありますね。ロシア語では「スミェールチ」らしいのですが、これって「s+mrt」かな。あるいは「シュメール」に似ているからシュメールそのものが死というイメージなのかも。ギリシャ語が全然別系統 (thanatos, tezaro) というのはちょっと気になります。

■アジア・大洋州
インドネシア語: kematian
タガログ語: kamatayan
フィジー語: mate
トンガ語 : mate

もちろんアジアにはもうひとつの「si/shi」という語群があって、日本語、中国語、タイ語 (sia) 等々、たぶん探せばもっとあるんじゃないかと思います。

ちなみにモンゴル語を調べていたら、とんでもない文献がありました。「モンゴル語の死を意味する表現について」。やっぱり死って最大限の表現方法がありますね。

日本人からすると「m-t/mrt」の響きに死は感じないわけですが、世界的にはこちらの方が主流なのかもしれません。

いずれにしても、死という単語を多くの国で共有していることは明らかです。なぜそうなったのか、もう少しじっくり考えを巡らせてみようと思います。

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